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マイクロソフト、米エネルギー省の科学AI計画に6000万ドル投資

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マイクロソフトは米エネルギー省の「Genesis Mission」に6000万ドルを拠出すると発表した。10年で米国の研究生産性を倍増させる計画で、Azure計算資源枠や技術支援の提供に加え、17の国立研究所と連携する拠点「SPARK」を開設する。

マイクロソフト、米エネルギー省の科学AI計画に6000万ドル投資
画像:blogs.microsoft.com

生成AIの競争は、チャットボットから実験室の現場へと本格的に移りつつあります。

マイクロソフトは7月22日、米エネルギー省が進める「ジェネシス・ミッション」に対し、総額6000万ドルの支援を行うと発表しました。今後10年間で米国の科学研究における生産性を2倍に引き上げることを掲げた国家プロジェクトです。

内訳は、今後3年間で提供される4000万ドル相当のAzure計算資源およびAIクレジットと、2000万ドル相当のソリューションエンジニアリング支援です。単にインフラを貸し出すだけでなく、研究現場にエンジニアを直接送り込む体制をとっています。

17の国立研究所をつなぐ窓口「SPARK」

米エネルギー省の傘下には17の国立研究所があり、長年蓄積された膨大な実験データと先端研究設備を持っています。

マイクロソフトは、これらと自社技術を結ぶ専用拠点として「SPARK」を新設しました。プログラム管理オフィスや科学AIの専門組織を立ち上げ、研究プロジェクトの優先順位付けから実装までを一括で支援します。

研究基盤としては、一般提供が始まったばかりの統合プラットフォーム「Microsoft Discovery」が提供されます。科学向け基盤モデルや自律型実験室の制御、データの多段推論などを束ねる仕組みで、デスクトップ版のプレビューアプリも配布されます。

さらに、同社が進めるマヨラナ粒子ベースのトポロジカル量子コンピューティング技術も投入されます。従来のスーパーコンピュータでは計算が難しかった複雑な新材料や化学反応のシミュレーションを支援する計画です。

すでに動き出した現場の取り組み

この枠組みによるプロジェクトは、すでに具体的な成果を出し始めています。

パシフィック・ノースウェスト国立研究所では、蓄電材料の解析期間を数年から数週間に短縮したほか、自律実験システムの導入が進んでいます。ローレンス・リバモア国立研究所ではバイオ脅威への対策にAIを活用しています。

また、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所は「MatterGen」や「MatterSim」などの生成モデルを使い、超伝導体や構造材料の探索を自動化する実験を進めています。

なぜ重要か

研究機関にとって、計算クレジットだけを渡されても現場のエンジニアリング不足で使いこなせないケースは少なくありません。今回の支援で2000万ドル分を技術者の伴走支援に充てた判断は、きわめて実践的だと評価できます。

業界全体で見れば、クラウド各社の競争が日常業務の効率化から、基礎科学のプラットフォーム争奪戦へとシフトしたことを示しています。国家レベルの研究インフラの根幹を押さえることは、将来の産業特許や重要データとの結びつきを意味します。

私たちは、マイクロソフトの動きは戦略として非常に抜け目がないと考えています。一方で、国家的な研究基盤が特定の商用クラウドや専用ツールに依存しすぎると、将来的なベンダーロックインが生じるリスクは無視できません。競合する他のメガクラウドも、同様の国家支援策で追随を迫られることになりそうです。

情報源 (1)

  1. [1]
    blogs.microsoft.com(新しいタブで開きます)原文blogs.microsoft.com

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