マイクロソフト、Copilot+ PC向けに「Recall」や「Click to Do」などの新AI機能を正式提供
米Microsoftは、Copilot+ PC向けに延期されていたAI機能「Recall(プレビュー)」や画面上の作業を支援する「Click to Do」、自然言語対応のWindows検索を順次配信開始した。RecallはデータをNPUでローカル暗号化処理し、完全な無効化にも対応する。新機能は4月のプレビュー更新プログラムを通じて段階的に展開される。

昨年マイクロソフトが「Copilot+ PC」を発表した際、最も話題をさらったのはハードウェアの進化ではなく、画面を常時記録する新機能「Recall」を巡るプライバシーの懸念でした。
セキュリティ設計の全面的な見直しを経て、マイクロソフトはようやくこの目玉機能をユーザーの元へ届ける準備を整えました。
Windows 11 バージョン 24H2 向けの2025年4月非セキュリティプレビュー更新プログラムを通じて、Recall(プレビュー版)、Click to Do(プレビュー版)、そして進化した自然言語によるWindows検索の段階的な配信が始まりました。
記憶をたどる検索と、画面連動のクイック操作
生まれ変わったRecallは、安全性を最優先にした設計となっています。
機能は完全なオプトイン方式で、初期状態ではオフになっており、不要であればシステムから完全に削除することも可能です。40 TOPS以上のNPUを活用し、データはすべてデバイス内で暗号化処理され、クラウドに送信されることはありません。タイムラインの確認にはWindows Helloによる認証が必須です。
ファイル名を覚えていなくても、「先週見ていた紫色のスライド」といった自然な言葉で過去の作業履歴を検索でき、マイクロソフトのテストでは目的のファイルを見つける時間を最大70%削減できたとしています。
一方の「Click to Do」は、作業の中断を減らすための支援機能です。Winキーを押しながら画面をクリックするか、画面端からスワイプすると、表示中のテキストや画像を認識して文脈に応じたショートカットを提示します。
PDF内の画像から背景を切り抜いたり、テキストの要約や書き直しをその場で行えます。画像の切り抜き操作はすべてのCopilot+ PCで利用可能ですが、テキスト関連のアクションはまずSnapdragon X搭載機から先行配信され、IntelやAMDのモデルには数か月以内に追加される予定です。
なぜ重要か
これまでCopilot+ PCを購入したユーザーの多くは、「搭載されたNPUを普段どこで使えばいいのか」という疑問を抱えていました。ペイントの画像生成やカメラのエフェクトだけでは、新しいPCの価値を証明するには弱かったからです。
RecallとClick to Doは、PC自体が利用者の作業文脈を理解し、日常的な手間を減らすという端的なAI PCの価値を提示する試みと言えます。
さらに2025年10月にはWindows 10のサポート終了が迫っており、マイクロソフトにとっては買い替えを促すための極めて重要な武器になります。
とはいえ、ユーザーや企業の警戒心が完全に解けたわけではありません。ローカル処理と暗号化を徹底したとしても、画面履歴を記録し続けることへの心理的ハードルは依然として残ります。欧州経済領域での提供が規制対応で年内後半に延期されている点も含め、日常のツールとして本当に定着するかはここからの評価にかかっています。
情報源 (2)
- blogs.windows.com(新しいタブで開きます)原文blogs.windows.com
- @WindowsUpdate(新しいタブで開きます)議論x.com
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