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業界動向

マイクロソフト、Bingの検索データをAIチャットに流用する競合への提供停止を警告

公開 拡散指数 41

Bloombergの報道によると、マイクロソフトはBingの検索データを利用する競合エンジンに対し、AIチャットボットの基盤として使い続けるならアクセス権を剥奪すると警告した。同社は契約違反に当たると主張しており、AI検索競争が激化する中で自社データを囲い込む狙いがあるとみられる。

マイクロソフト、Bingの検索データをAIチャットに流用する競合への提供停止を警告
画像:theverge.com

他人の厨房を間借りして料理を作っているうちは問題ありませんが、その仕込みを使って向かいの通りに競合レストランを開店すれば、元の大家がガス栓を締めに来るのは目に見えています。

ブルームバーグの報道によると、マイクロソフトは検索パートナーの少なくとも2社に対し、Bingの検索インデックスデータを自社のAIチャットボットに流用し続ける場合、検索データへのアクセスを完全に遮断すると通告しました。

Bingの資産で育つライバルAIたち

全世界のウェブを巡回して膨大な検索インデックスを構築・維持するには、天文学的なコストとサーバーリソースがかかります。そのため、ゼロから自前でインデックスを持つプレイヤーは世界でもごくわずかです。

マイクロソフトは長年、Bingの検索データをDuckDuckGo、Yahoo、さらには新興のYou.comやNeevaといった検索エンジンにAPI経由でライセンス提供してきました。DuckDuckGoは独自クローラーとBingを併用していますが、You.comやNeevaのような新興勢力はBingに頼ることで、莫大なインフラコストを節約してきました。

しかし、生成AIブームを機に各社が独自のAI検索サービスを展開し始めたことで潮目が変わりました。

先月、DuckDuckGoはWikipediaなどを要約するDuckAssistを発表しました。You.comはユーザーの質問に直接答える対話型AI機能を提供しており、Neevaも出典付きのAI要約ツールを導入しています。

ブルームバーグに関係者が語ったところによると、マイクロソフトはBingのデータをAIチャットの学習や回答生成の素材として使うことを規約違反と見なしており、改善されない場合は契約を打ち切る方針です。同社はパートナーと直接協議し、解決策を模索しているとコメントしています。

なぜ重要か

広告だらけの大手検索から離れ、You.comやDuckDuckGoなどの新しいAI検索ツールを重宝していたユーザーにとっては、サービスの存続に関わる問題です。もしBingのデータが遮断されれば、回答精度が著しく低下するか、インフラ維持のために有料プランへの移行を余儀なくされる可能性があります。

AI業界全体で見れば、勝負の分かれ目が「モデルの賢さ」から「データの独占」へと完全に移ったことを示しています。LLM自体が普及しても、リアルタイムな最新情報と組み合わせるためのインデックスを握っているのは、事実上グーグルとマイクロソフトだけです。

マイクロソフトの動きは自社防衛としては極めて合理的です。GPT-4を組み込んだ新しいBing Chatを主軸に据える同社にとって、競合にデータを卸してシェアを奪われるのは受け入れがたいはずです。ただ、この締め出しはスタートアップによる技術革新の芽を摘み、独占懸念を再び強めるリスクも孕んでいます。

情報源 (1)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

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