Meta、脳活動予測モデル「TRIBE v2」を発表:重みとコードを公開
Metaは視覚・聴覚・言語に対する脳の反応を予測するAI基盤モデル「TRIBE v2」を発表した。700人以上のfMRIデータを学習し、未知の被験者や言語でも高解像度でゼロショット予測が可能。毎回被験者を集めずに脳科学の仮説検証を行えるようになる。
TRIBE v2は、人間が画像、音声、言語などの刺激を受けた際に脳がどう反応するかを予測する、デジタルツインのようなAI基盤モデルだ。
神経科学の研究者は、毎回多額の費用をかけて被験者をMRI装置に入れることなく、動画や音声、テキストを入力するだけで脳の高解像度な活動をシミュレーションできる。
どのような仕組みか
このモデルの前身は、わずか4人の低解像度fMRIデータで学習していた「Algonauts 2025」コンペの受賞モデルだ。
今回のv2では学習規模が大幅に拡大された。700人以上の健常者ボランティアが画像、ポッドキャスト、動画、文章に触れている際の膨大なfMRIデータを活用している。
これにより、類似モデルと比較して約70倍の解像度向上を実現した。さらにゼロショット予測にも対応しており、モデルが一度も学習していない未知の被験者や新しい言語、未知の認知タスクに対しても高精度な予測を返してくれる。
入手方法とライセンス
Metaは研究論文に加え、モデルの重みとコードベースをCC BY-NCライセンスのもとで公開した。非商用目的の研究であれば自由に利用できる。
ローカル環境を構築せずに試したい人向けに、ブラウザから挙動を確認できるインタラクティブなデモサイトも用意されている。
商用利用が禁止されたライセンス形態のため、そのまま商用BCI製品や医療機器に組み込むことはできない点には注意が必要だ。
なぜ重要か
脳科学の研究において、被験者のリクルートと高額なfMRI装置の利用枠確保は常に最大のボトルネックだった。TRIBE v2は、多額の実験費用を投じる前に仮説を検証できる計算上のサンドボックスを提供してくれる。
ライセンスの制約はあるものの、認知科学や計算神経科学の研究者にとっては、事前のスクリーニングツールとして今すぐ試す価値がある強力なオープンモデルといえる。
情報源 (1)
- ai.meta.com(新しいタブで開きます)原文ai.meta.com