Meta、AIが自ら話しかけてくる機能をテスト:14日以内に5通話すと後追いメッセージ
Metaは自社アプリ内でAIボットがユーザーに自発的にメッセージを送る機能をテスト中だと認めた。AI Studioで作られたボットは、14日以内に5回以上やり取りしたユーザーへ能動的に話しかけられる。返信がない場合は追加送信しない仕組みだが、対話型AIの安全性に関する懸念も浮上している。

MessengerやWhatsAppを開くと、以前少し話しただけの映画好きAIから、新しいおすすめ映画はあるかと自発的にメッセージが届く。
SFのような話ですが、Metaはまさにこの機能のテストを進めています。ユーザーが話しかけなくても、AIチャットボットの側からメッセージを送信してくる仕組みです。
5往復以上話すと、AIから連絡が届く
Business Insiderが入手した内部文書によると、Metaはデータラベリング企業Alignerrと提携し、過去の会話を記憶して自発的にフォローアップを行うカスタムAIボットの訓練を行っています。Metaも米TechCrunchに対してテストの事実を認めました。
対象となるのは、Metaの「AI Studio」で作成されたカスタムボットです。ユーザーに関する情報を記憶し、後から連絡してきます。
ただし、無制限にメッセージが送られてくるわけではありません。
ボットが自発的にメッセージを送るのは、ユーザーが会話を開始してから14日以内で、かつその間にユーザーがボットへ少なくとも5回以上メッセージを送った場合に限られます。また、AIからの最初の呼びかけに返信しなかった場合、それ以上メッセージが送られることはありません。
自分から話しかけてくるコンパニオンAIは、Character.AIやReplikaなどの新興サービスではおなじみの機能です。なお、Character.AIのCEOに就任したKarandeep Anand氏は、先月までMetaのビジネスプロダクト担当バイスプレジデントを務めていた人物です。
エンゲージメント向上と安全性の課題
AIからのプッシュ通知はアプリの利用時間を確実に伸ばしますが、深刻なリスクも伴います。
Character.AIは現在、14歳の少年が自死した事件にボットが関与していたとして訴訟を起こされています。Metaに安全対策を尋ねたところ、同社は医療や心理ケアなどの専門的なアドバイスの代わりにはならないという免責事項を提示するにとどまりました。
また、一部地域の法規制を除き、Meta独自のアカウント年齢制限も設けられていません。
マーク・ザッカーバーグ氏は孤独の解消を掲げていますが、Metaの収益の柱は広告です。4月に公開された法廷文書によると、同社は生成AI事業で2025年に20億〜30億ドル、2035年までに最大1.4兆ドルの収益を見込んでおり、将来的にAIへの広告導入や有料サブスクリプションも示唆しています。
なぜ重要か
私たちは、MetaによるAIの自発的メッセージ機能は、エンゲージメント獲得には極めて効果的である一方、大きな危うさを孕んでいると考えます。
ユーザーにとって、友人とのやり取りが並ぶ受信トレイに記憶を持つAIが入り込んでくる体験は、便利であると同時に心理的な境界線を曖昧にします。特に孤独感を抱える人や若年層が、アルゴリズムによる引き留め施策を本物の人間関係と錯覚してしまうリスクは無視できません。
業界の視点では、MetaがCharacter.AIなどのコンパニオンAI企業の牙城を直接脅かすことになります。WhatsAppやInstagramという圧倒的な配信網を持つMetaがこの領域に本腰を入れれば、単独アプリの優位性は一気に揺らぎます。
しかし、精神的な依存や安全性の問題に対して、従来の免責事項だけで対処しようとする姿勢は不十分に見えます。広告ビジネスの最大化と利用者のメンタルヘルスの間で、Metaは今後より厳しい視線にさらされることになりそうです。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com