Meta、画面付き「Ray-Ban Display」と筋電リストバンドを発表
Metaはカラーディスプレイを内蔵したAIメガネ「Meta Ray-Ban Display」と、手首の筋電位で操作できる「Meta Neural Band」を発表した。微細な指の動きで画面を操作し、道案内やリアルタイム翻訳、視覚的なAIアシスタント機能を利用できる。バンド同梱で799ドルから。

スマートグラスに向かって独り言をつぶやいたり、フレームの側面を何度もタップしたりする姿は、周囲から見ると少し不自然に見えることがあります。
Metaは年次カンファレンス「Connect」にて、この課題に挑む新型デバイス「Meta Ray-Ban Display」と、専用コントローラー「Meta Neural Band」を発表しました。
価格はセットで799ドルです。レンズの端に高解像度フルカラーディスプレイを搭載し、手首の筋肉信号を読み取るリストバンドと連携します。9月30日より米国の特定店舗で発売され、2026年初頭にはカナダ、フランス、イタリア、英国へと拡大予定です。
筋電信号で操作する新しいインターフェース
今回最も注目を集めたのは、ディスプレイを搭載したメガネ本体よりも、むしろ付属のリストバンドかもしれません。
このバンドは表面筋電位技術を採用しており、指を動かそうとする際に手首を走る微弱な電気信号を検知します。Metaによると約20万人の被験者データをもとに開発されており、肉眼で動きを確認できる前段階の微細な筋肉の変化まで捉えることが可能です。
これにより、メガネに手を伸ばしたり声を出したりすることなく、ポケットの中で親指を軽く横に払ってページをめくり、指先をつまんで決定し、手首を回して音量を調節できます。素材には火星探査機の着陸クッションにも使われたベクトランが採用され、IPX7防水と最大18時間のバッテリー駆動に対応しています。
レンズ内の画面は視界を遮らないよう片側に小さく配置され、必要な時だけ点灯します。歩行時の道案内やメッセージの確認、Meta AIが提示する手順ガイドなどを視界の隅で確認可能です。
Metaは初代スマートグラスの販売台数が200万本に達したことも明かしました。あわせてバッテリー駆動時間が8時間に倍増し3K動画撮影に対応した第2世代Ray-Ban Meta(379ドル)や、Garmin連携が可能なスポーツ向けOakley Meta Vanguardも発表されています。
発表会でのハプニングと現実的な課題
一方で、技術の課題も浮き彫りになりました。基調講演のライブデモでは、料理クリエイターがステーキソースの作り方を尋ねたところ、AIがまだ混ぜていない調味料を混ぜたと誤認識し、同じ誤答を繰り返して笑いが起きる一幕がありました。
また、カメラで周囲を常時認識するライブAI機能は消費電力が非常に高く、現時点では連続稼働が1〜2時間程度に限られます。
Displayモデルのメガネ単体での通常バッテリーも最大6時間にとどまり、日常的に使い倒すには付属の充電ケースの活用が前提となります。
なぜ重要か
私たちが注目すべき最大のポイントは、Metaがメガネの操作体系として「手首の筋電」という解を提示した点にあります。
これまでスマートグラスの普及を阻んできたのは、公共の場で音声コマンドを発することや、空中を指でなぞるジェスチャーの恥ずかしさでした。手首の微細な筋肉の動きだけで完結するインターフェースは、ウェアラブルにおける最も実用的な入力手段になり得ると考えられます。
一般ユーザーにとって799ドルという価格は手軽とは言えず、現時点では新しいUIをいち早く体験したいアーリーアダプターや開発者向けの製品です。日常の動画撮影や通話が目的なら、379ドルの第2世代モデルで十分満足できるはずです。
業界全体から見れば、AppleやGoogleに対する強力な牽制になります。Apple Watchのピンチ操作などに比べ、筋電センサーによるジェスチャー追従は圧倒的に細やかであり、競合も今後ウェアラブル専用の入力機器の再設計を迫られる可能性があります。
ただし、ステージ上で起きたデモの失敗が示すように、いくら入力が快適になっても、肝心のAIモデルが文脈を見誤ればユーザーの体験は崩れてしまいます。革新的なハードウェアを手に入れた今、実用性を左右するのはマルチモーダルAIの精度そのものです。
情報源 (3)
- about.fb.com(新しいタブで開きます)原文about.fb.com
- meta.com(新しいタブで開きます)報道meta.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com