本文へスキップ
IFAI

AIツール

Meta、AIエージェント「Muse」の共有機能を緊急停止 DNS経由で非公開チャット流出

公開 拡散指数 43

米 Meta は汎用 AI エージェント「Muse」の会話共有機能を一時停止した。セキュリティ企業 Claroc の調査で、サブドメインの設計不備によりパッシブ DNS 検索だけで 6800 件の共有リンクが特定可能だったと判明。社外秘の売上データやローン申請など機密情報が閲覧できる状態だった。ザッカーバーグ CEO が先月「プライバシー重視」を謳った矢先の失態となった。

Meta、AIエージェント「Muse」の共有機能を緊急停止 DNS経由で非公開チャット流出
画像:arstechnica.com

Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは先月、新しい汎用AIエージェント「Muse」について、プライバシーとセキュリティをゼロから設計したと胸を張っていました。

しかし、その安全宣言はわずか1回の検索で崩れ去りました。セキュリティ企業Clarocは、Museの会話共有機能によってユーザーの機密情報が外部に漏洩していたことを報告しました。Metaは指摘を受け、会話共有機能を一時停止しています。

通常、Webサービスの共有リンクは推測が難しいランダムな文字列で作られます。しかしMuseは、会話のタイトルをそのままサブドメインに組み込む設計を採用していました。

1回のパッシブDNS検索で6800件が丸見えに

共有リンクを誰かがブラウザで開くと、DNSの問い合わせ履歴が記録されます。商用のパッシブDNSデータベースを使えば、こうした過去のドメイン履歴を誰でも検索できます。

Clarocの研究チームによると、当初はリンクを集めるのに相当な労力がかかると予想していたものの、実際にはパッシブDNSを1回検索しただけで、6800件の共有リンクを洗い出せてしまったといいます。

そのうち数百件を開いただけで、公開を意図していない重大な情報が次々と見つかりました。

最先端AI研究所のエグゼクティブ採用面談に向けた候補者の準備メモには、内部担当者の名前や面談時間が記されていました。さらに、全国規模のマーケティング企業におけるCEO向け内部売上レビューも含まれていました。

個人のプライバシーも深刻です。小規模事業主の融資申請額、一部の口座番号や取引履歴が書かれた銀行不正利用アラートのToDo、物件の住所や住宅ローン残高が明記された不動産投資レポート、社員数十人の年間休暇カレンダーまで閲覧できる状態でした。

Clarocの共同創業者兼CTOであるAsaf Aprozper氏は、10月8日にMetaのバグ報奨金プログラムへ報告し、LinkedInでも社員に接触を試みたものの、返答は一切なかったと明かしています。

なぜ重要か

この問題の本質は、ユーザーがAIエージェントに対して抱く無防備な信頼にあります。

多くの人はAIを優秀な執事のように扱い、未公開の採用計画や融資書類、詳細な財務データを日常的に投入しています。もし似たようなAIツールで安易に会話共有リンクを発行しているなら、今すぐその運用を見直すべきです。

技術的に見れば、URLを人間が見やすくしようとして会話タイトルをサブドメインにしたMetaの判断は、初歩的で見過ごせないミスと言えます。パッシブDNSで収集されるリスクは長年セキュリティ界隈で指摘されてきた定番の落とし穴であり、プライバシー重視を掲げる製品の設計としてはお粗末です。

さらに問題なのはMetaの対応姿勢です。正規の窓口やSNSから通報を受けていたにもかかわらず、メディアの取材が入るまで放置されていました。どれほど高度なAIモデルを開発しても、基本的なWebのセキュリティ運用が甘ければ、最先端ツールが一瞬で情報漏洩装置に変わるという教訓を残しています。

情報源 (1)

  1. [1]
    arstechnica.com(新しいタブで開きます)原文arstechnica.com

毎日のAIピックアップ