本文へスキップ
IFAI

ロボット

Metaが人型ロボット参入へ:Reality Labsに新チーム、ロボット界のAndroid目指す

公開 拡散指数 68

MetaがReality Labs内に人型ロボット開発の新チームを発足させました。元Cruise CEOのマーク・ウィッテン氏が率い、約100人の技術者を採用予定。自社ブランド端末を急ぐのではなく、家庭用タスクを軸にLlamaなどを活かしたOS的基盤の提供を目指します。

Metaが人型ロボット参入へ:Reality Labsに新チーム、ロボット界のAndroid目指す
画像:bloomberg.com

メタが仮想現実とAIに続く次なる巨額投資先を決めたようです。人型ロボット(ヒューマノイド)です。

メタはハードウェア開発部門であるReality Labs内にロボット専門の新規チームを立ち上げたことを社内に通知しました。チームを率いるのは、今月初めにGM傘下の自動運転企業CruiseのCEOを退任したMarc Whitten氏です。同氏はAmazonやゲーム開発環境Unityの幹部を務めた経歴も持ちます。関係者によると、同チームには今年約100人のエンジニアを採用する枠が用意されています。

目指すのはテスラ対抗ではなく「ロボット界のAndroid」

メタは検証用として自社製ハードウェアの試作を進める方針ですが、現時点で「Meta」ブランドの完成品ロボットを一般販売し、テスラのOptimusと真っ向勝負する計画はありません。

狙っているのはロボットの頭脳、センサー、制御ソフトウェアといった基盤部分です。関係者によれば、かつてGoogleのAndroidやQualcommのチップがスマートフォン市場で果たした役割を、ヒューマノイド業界で再現することを目指しています。さらに、自社の大規模言語モデル「Llama」を世界中のロボット研究者の標準基盤に据えたい考えです。

すでに外部ロボットメーカーとの協議も始まっており、中国のUnitree Robotics(宇樹科技)や、OpenAIとの提携を解消したばかりのFigure AIなどが相手先に挙がっています。

メタの強みは、QuestヘッドセットやRay-Banスマートグラスの開発を通じてReality Labsが蓄積してきた資産です。CTOのAndrew Bosworth氏は社内メモで、ハンドトラッキングや低帯域でのコンピューティング、常時稼働センサーといった既存技術がロボット工学に直結すると指摘しています。さらに、2022年のProject Ariaなどを通じて収集してきた一人称視点の実世界データも、ロボットの動作学習を加速させる武器になります。

道路より複雑な「散らかったリビング」に挑む

現在のヒューマノイドは、洗濯物を畳む、コップの水を運ぶ、食器をラックに並べるといった基本的な家事すら満足にこなせません。メタは初期の焦点を家庭内の家事支援に絞っています。

ボストン・ダイナミクスが倉庫の自動化、テスラが工場での作業を視野に入れる中、家庭内を狙うのは技術的ハードルが一段高くなります。自動運転車が走る公道は標識や車線などの規格がありますが、一般家庭の間取りや家具の配置、散らかり具合は千差万別だからです。走行車ほどの重大事故リスクはないものの、環境の多様性を認識して動く難易度は極めて高いと言えます。

メタは今年、AIインフラや今回のロボットプロジェクトを含む関連製品に約650億ドルを投じる計画です。

なぜ重要か

一般ユーザーにとっては、今すぐ自宅に導入できる家電が登場するわけではありません。現状のヒューマノイドは製造コストが高すぎる上、家事を任せられる水準には遠く及ばないため、実用化を待つフェーズです。

一方、ロボット開発企業にとってはゲームのルールが変わる可能性があります。複雑なハードウェア製造に追われる新興企業にとって、メタが高性能なAIや空間認識プラットフォームをオープンに提供してくれれば、自前で莫大な基盤モデルを開発する負担を大幅に減らせるからです。

今回のメタの動きは、Reality Labsの投資回収という観点でも理にかなっていると私たちは考えます。批判されがちだったメタバース関連の巨額投資ですが、空間データやトラッキング技術を物理AIへと横展開することで、既存の資産を一気に活用できる道が開けました。ただし懸念もあります。家庭環境はあまりに予測不能であり、ソフトウェア単体のアプローチでどこまで物理世界の複雑さを吸収できるかは未知数です。ハードとソフトの極めて緊密な擦り合わせが求められる分野だけに、最終的には自社で完成品を作らざるを得なくなる可能性も残されています。

情報源 (4)

  1. [1]
    bloomberg.com(新しいタブで開きます)原文bloomberg.com
  2. [2]
  3. [3]
  4. [4]

毎日のAIピックアップ