MetaがAIメガネ拡充:カメラなしのAudio版と3K対応の第3世代を発表
MetaはConnectにて、初のオーディオ特化型メガネ「Ray-Ban Meta Audio」と第3世代「Ray-Ban Meta」を発表した。Audio版は43gの軽量設計で最大12時間駆動し349ドルから。第3世代は12 MPカメラと3K動画に対応し449ドルから。さらに249ドルの手頃なモデルも加わった。

カメラ付きメガネをかけて街を歩くと、どうしても周囲の視線が気になり、盗撮を警戒されてしまうことがあります。
今年の Connect で Meta が打ち出したのは、まさにその懸念に正面から向き合う一手でした。アイウェア大手 EssilorLuxottica との提携を大幅に拡大し、年内に 100 種類以上のフレームを展開すると発表。その目玉として、カメラを完全に省いたオーディオ特化型スマートグラス Ray-Ban Meta Audio と、第 3 世代となる Ray-Ban Meta Gen 3 を披露しました。
カメラを捨てて軽さとプライバシーを取る
初登場となる Ray-Ban Meta Audio は、わずか 43 グラムという Meta 史上最軽量かつ最薄のスマートグラスです。カメラを排除したことで、公共空間でつきまとうプライバシー問題を一気にクリアしました。
6 基のマイクアレイを搭載し、1 回の充電で最大 12 時間駆動、付属ケースを合わせるとさらに 48 時間使えます。価格は 349 ドルからで、予約受付を開始しており、10 月 13 日に出荷予定です。
会場で TechCrunch が体験した Meta のパーソナル AI エージェント Muse との連携機能では、声だけでメール送信やタスク管理、歴史の質問への回答などがスムーズに行えました。ただし、装着者がスタッフと雑談し始めると AI が自分に話しかけられたと勘違いして会話に割り込んでくるなど、マルチターン対話の識別にはまだ課題が残っています。
また会場では、約 5 年間開発を続けているという難聴者向けオーディオグラスのデモも行われました。一般的な補聴器が 1600 ドルほどするのに対し、この製品は 150 ドル程度での提供を目指しており、正面の話し相手の音声をクリアに集音・増幅できる仕組みを備えています。
249 ドルの低価格帯から 3K 撮影まで
カメラ搭載モデルの Ray-Ban Meta Gen 3 も 449 ドルから発売されます。1200 万画素カメラを積み、3K 超高解像度ビデオの撮影が可能で、Meta AI を即座に呼び出せるアクションボタンが新設されました。
バッテリーは前世代より 1 時間長い 9 時間となり、風切り音や周囲のノイズを 90 パーセント以上カットします。年内には 360 度空間オーディオを含むドルビーアトモス形式での動画撮影にも対応する予定です。
普及を促すための価格とデザイン面での攻勢も目立ちます。有線充電ケースを採用した Meta Adventurer は 249 ドルからという過去最安値を打ち出しました。
さらに Kylie Jenner とのコラボ新色や、アーティスト LISA とのコラボモデルを 399 ドルから投入。ケースチャームや限定デジタルトレカを付属させるなど、ファン層を強く意識した展開を進めています。
なぜ重要か
カメラを取り払ったオーディオグラスを投入した Meta の判断は、極めて現実的で賢明だと私たちは考えています。これまでスマートグラスの普及を阻んできた最大の壁は、重さと「盗撮されているのではないか」という周囲の不信感でした。カメラを外すことで 43 グラムの軽さと 12 時間のバッテリーを手に入れ、オフィスや街中でも気兼ねなく常用できるイヤホン代替デバイスとしての実用性を一気に引き上げています。
日常的に通話やポッドキャストを聴き、たまに AI に質問する程度であれば、249 ドルから試せるエントリーモデルやオーディオモデルは今すぐ検討に値する完成度です。ただし、Muse のデモでも露呈したように、音声 AI は周囲の雑音や他人との会話を誤認識しやすく、人前で独り言のように指示を出すハードルは依然として残ります。
業界全体で見れば、他社が重いディスプレイや空間コンピューティングの技術競争に囚われている間に、Meta はファッションと生活導線を抑えて日常の定位置を奪いにきています。一方で、カメラを捨てることは視覚によるマルチモーダル AI の可能性を放棄することでもあるため、これがウェアラブルの完成形となるのか、単なる高機能イヤホン止まりで終わるのかは、今後の AI アシスタントの実用性次第と言えそうです。
情報源 (2)
- about.fb.com(新しいタブで開きます)原文about.fb.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com