Meta、Meta AIやEditsアプリに生成AI動画編集機能を追加
MetaはMeta AIアプリやウェブ版、Editsアプリに生成AI動画編集機能を導入した。Movie Genモデルに着想を得た機能で、50種類以上のプリセットプロンプトを使い、10秒の短尺動画をコミック風やゲーム風に変換できる。米国など十数カ国で提供が始まっている。

雨の日の薄暗い動画を一瞬で幻想的な映像に変えたり、自分の服装をゲームの戦闘服に差し替えたりする作業が、スマホアプリひとつで完結するようになります。
Meta は現地時間 6 月 11 日、生成 AI を活用した動画編集機能を Meta AI アプリ、Meta.AI ウェブ版、および同社の Edits アプリで提供開始しました。米国をはじめとする世界十数カ国で利用可能になっています。
50 種類以上のプリセットから選ぶ 10 秒編集
今回の機能は、短尺動画を手軽にアレンジすることに特化しています。ユーザーが手持ちの動画をアップロードすると、あらかじめ用意された 50 種類以上のプロンプトを使って、最大 10 秒間の映像を期間限定で無料編集できます。
変更できる要素は衣装や撮影場所、全体のトーンなど多岐にわたります。日常のワンシーンをビンテージなアメコミ風イラストに変換したり、雨のシアトルで撮った動画に真珠のような柔らかい光のボケを加えてドリーミーな雰囲気に仕上げたり、蛍光灯が光るゲーム画面風に変身させたりすることが可能です。
編集した動画は、アプリ内から直接 Instagram や Facebook に共有できるほか、Meta AI の Discover フィードにも投稿できます。なお、現在は決められたプリセットからの選択のみですが、Meta によると、今年後半にはユーザーが自由にテキストを入力して指示できる動画編集機能を追加する予定です。
研究室の Movie Gen が日常ツールへ
一見するとリッチなフィルター機能のようですが、その基盤には Meta の長年のメディア生成 AI 研究があります。
同社は 2022 年の Make-A-Scene から始まり、拡散モデルを用いた Llama 系の画像基盤モデルを経て、昨年 Movie Gen を発表しました。Movie Gen はテキストによる高精度な動画生成や既存動画の編集を得意とするモデルで、今回の機能はその技術を初めて一般ユーザー向け製品に組み込んだ形となります。
また、Meta はどのような演出がオーディエンスに響くかをクリエイターと協力して検証し、初期の 50 種類以上のプロンプトを選定したとしています。
なぜ重要か
一般ユーザーやクリエイターにとって、高度な合成ソフトを使わずに目を引く演出が作れるメリットは大きいです。現時点では 10 秒間という長さの制限やプリセット限定という枠があるものの、SNS 投稿の冒頭数秒で視聴者の手を止めるフックを作る用途には最適といえます。
業界全体で見ると、Meta のアプローチは非常に現実的です。競合各社がゼロから動画全体を生成する重いモデルを模索しているのに対し、Meta はユーザーがすでに撮影した動画を AI で加工・編集する体験からスタートさせました。このやり方は計算コストを抑えつつ、日常の共有体験に AI を自然に溶け込ませる賢い戦略だと私たちは考えます。
ただし懸念点もあります。用意されたプリセットが定着するにつれて、似たような AI 加工動画がタイムラインに溢れ、ユーザーがすぐに飽きてしまう可能性があります。真の勝負所は、今年後半に予定されている自由なテキスト入力編集がどれだけ破綻なく動くかになりそうです。
情報源 (1)
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