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Memories.aiがNvidiaと提携、ロボットやウェアラブルに「視覚記憶」を構築

公開 拡散指数 39

元Metaのエンジニアが設立したMemories.aiはNvidiaと提携し、ウェアラブルやロボット向けの「視覚記憶レイヤー」を構築すると発表した。NvidiaのCosmos-Reason 2などを活用し、機器が見た一人称動画を記録・検索可能にすることで、従来のテキスト中心だったAI記憶の限界を物理世界で突破することを目指す。

Memories.aiがNvidiaと提携、ロボットやウェアラブルに「視覚記憶」を構築
画像:techcrunch.com

スマートグラスをかけたり、掃除ロボットが部屋を動き回るのを眺めたりしていると、ある違和感に気づきます。カメラで世界を見ているはずの彼らは、直前の光景を驚くほどあっさり忘れてしまうということです。

現在の対話型AIは、過去のチャット履歴をスムーズに記憶できるようになりました。しかし、スマートグラスに「さっき鍵を置いた場所」を尋ねても、まともな答えは返ってきません。これまでのAIの「記憶」は、ほぼすべてテキストを前提に設計されていたからです。

元Metaのエンジニアが立ち上げたスタートアップMemories.aiは3月16日、Nvidiaの年次カンファレンスGTCにて同社との協業を発表しました。ウェアラブル端末やロボットが目にした光景を記録・検索できる「視覚記憶レイヤー」の構築を本格化させます。

Ray-Banスマートグラス開発から生まれた課題意識

Memories.aiの共同創業者であるShawn Shen氏とBen Zhou氏は、MetaでRay-BanスマートグラスのAIシステム開発に携わっていました。その過程で彼らは、日常の動画を記録できても、ユーザーが見たい場面を後から呼び出せないなら実用的な価値が薄いという根本的な壁に突き当たります。

市場にそうした視覚特化の記憶ソリューションが存在しなかったため、2人は2024年に独立して同社を設立しました。テキストによる記憶は構造化しやすく検索も容易ですが、現実空間で動くロボットやウェアラブルには、視覚情報をそのまま扱える記憶が欠かせないと彼らは主張します。

同社はこれまでに計1600万ドルの資金を調達しています。2025年7月の800万ドルのシードラウンドに加え、Susa Venturesが主導する800万ドルの拡張ラウンドを実施し、SeedcampやFusion Fund、Crane Venture Partnersなどが参加しています。

Nvidiaとクアルコム双方と手を組むインフラ戦略

視覚記憶を実現するには、動画を検索可能な形式に変換・インデックス化する基盤技術と、それを学習させるためのデータ収集という2つのハードルがあります。

今回の提携により、Memories.aiはNvidiaの推論型ビジョン言語モデル「Cosmos-Reason 2」と、大規模動画検索・要約のためのリファレンスアーキテクチャ「Nvidia Metropolis」を活用します。

同社は2025年7月に初の大規模視覚記憶モデル(LVMM)を公開しており、Shen氏によればこれはGoogleが最近発表した「Gemini Embedding 2」の軽量版に近い位置づけだといいます。すでに第2世代のLVMMを開発しており、年内後半からはクアルコムのプロセッサ上でも動作するよう同社と提携を結びました。

さらに学習用データの収集のため、自社専用のウェアラブルデバイス「LUCI」まで内製しました。市販のカメラは高精細すぎる上にバッテリー消費が激しく、データ収集に向いていなかったためで、ハードウェアを一般販売する意図はないとShen氏は説明しています。

なぜ重要か

AIに「視覚の長期記憶」を与える取り組みは、ロボティクスやウェアラブルが実世界で役立つための急所を突いています。

現在のマルチモーダルAIは「今見えているもの」の認識には長けていますが、長時間の映像ストリームを保持して過去の事象と結びつける処理は、計算負荷とストレージの面で極めて困難でした。Memories.aiは巨大モデルの覇権争いや完成品デバイスの開発を避け、その中間に位置するインデックス基盤に特化しています。

ユーザー視点では、失くした物の捜索や過去の対話シーンの振り返りなど、スマートグラスが真の日常アシスタントに進化する道筋が見えてきます。ただし、Shen氏自身が「ウェアラブルやロボットの真の市場が立ち上がるのはまだ先」と語る通り、一般ユーザーの手元に届くには時間がかかりそうです。

クラウド側でNvidia、エッジ側でクアルコムと組んだ立ち回りは極めて堅実だと評価できます。最大の課題は、ウェアラブルの限られたバッテリー枠の中でどこまで低消費電力に動かせるか、そして常時撮影に伴うプライバシーの壁をどうクリアするかです。テキスト記憶の枠組みを超え、物理世界の記憶インフラに先手を打った価値は大きいと言えます。

情報源 (1)

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    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com

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