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業界動向

米メリーランド州がAnthropicと提携、Claudeを行政サービスに導入

公開 拡散指数 37

メリーランド州は州政府機関にClaudeを導入すると発表した。住民による公的扶助の申請支援や、担当職員が毎月処理する15万件超の提出書類の確認作業にAIを活用する。生成AIの実用化が慎重さを求められる公共福祉の現場にまで広がっている。

米メリーランド州がAnthropicと提携、Claudeを行政サービスに導入
画像:anthropic.com

行政手続きの複雑さに頭を抱えた経験は誰にでもあるはずです。アメリカのメリーランド州は、その解決策として生成AIの本格導入に踏み切りました。

同州はAnthropicと提携し、同社のAIモデル「Claude」を州政府の複数機関に導入すると発表しました。州内600万人以上の住民向け行政サービスの効率化を目指します。

福利厚生の申請支援と月15万件の書類審査

今回の取り組みの中心となるのは、生活困窮者向けのセーフティネット支援です。メリーランド州はClaudeを活用したバーチャルアシスタントを導入し、食料支援制度のSNAPや低所得者向け医療保険Medicaid、一時金給付、WICなどの申請を支援します。

このアシスタントは単に申請を受け付けるだけでなく、住民が条件を満たしているにもかかわらず存在を知らなかった別の公的支援制度も提案します。

さらに、公務員の業務負担軽減にも使われます。同州では毎月15万件以上の各種申請書類を手作業で確認していますが、今後はClaudeを使って書類の検証や受給資格の確認を迅速化し、複雑なケースの政策判断を支援します。

加えて、州の重点産業における若手向けのAIリスキリング試行や、地域ごとに不足している保育サービスや生鮮食品などのニーズをClaudeで分析し、施策に役立てる取り組みも進められます。

メリーランド州とAnthropicの連携はこれが初めてではありません。6月には食料支援プログラム「SUN Bucks」向けにClaudeを活用したバイリンガル対応のチャットボットを導入し、60万人以上の受給者を支援しながらコールセンターの問い合わせ負担を軽減した実績があります。夏の間にAnthropicのCEOダリオ・アモデイ氏とメリーランド州のウェス・ムーア知事が会談し、ロックフェラー財団なども加わって今回の枠組みが固まりました。

なぜ重要か

最先端の大規模言語モデルが、米国の州政府規模で公的扶助の窓口業務と審査バックオフィスに深く組み込まれる好例です。住民側にとっては、難解な行政用語に惑わされず、受給可能な支援を漏れなく受け取れる実利があります。

行政側にとっても、毎月15万件に及ぶ書類審査の一部をAIが肩代わりできれば、支給決定までの期間が大幅に短縮され、職員はより個別対応が必要な困難事例に時間を割けるようになります。

安全性と信頼性を重視するAnthropicにとって、防衛や娯楽ではなく、厳格さが求められる公共セーフティネットでの採用実績は大きな強みになります。

一方で懸念されるのは誤判定のリスクです。公的支援の審査は生活に直結するため、AIのハルシネーションによる誤った適格性判断は決して許されません。メリーランド州はAIを最終決定者ではなくケースワーカーの補助として位置づけていますが、現場がAIの提示する判断に頼りきりにならない運用体制を維持できるかが今後の鍵になります。

情報源 (1)

  1. [1]
    anthropic.com(新しいタブで開きます)原文anthropic.com

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