ランボルギーニ、運転ミスをリアルタイム補正するAIセンサー構想を公表
ランボルギーニは野球ボール大の「6Dセンサー」と機械学習を用いて、車両姿勢と運転操作をリアルタイムに補正する仕組みを明かした。スムーズに走ればアシストを緩め、ミスがあれば介入する。将来はドライバーの気分に合わせて挙動を変える構想もある。

700馬力を超えるスーパーカーを操る楽しさは格別ですが、ドライバーの腕が追いつかないと一瞬で冷や汗をかくことになります。
ランボルギーニはこのギャップをAIで埋めようとしています。米メディアThe Driveの取材に対し、CTOのRouven Mohr氏が、運転手の腕前や感情を読み取ってリアルタイムに挙動を修正する技術構想を明かしました。
ドリフトをアシストし、オーバーステアを救う
ランボルギーニはすでに、路面状況や運転スタイルに応じてトルク配分を最適化する初期段階の機械学習を導入しています。
しかし、Mohr氏が描く未来はさらに先を行っています。車内センサーでドライバーの感情や意図を読み取り、車を意図的に滑らせて楽しもうとしていると判断すれば、システムはトラクション制御を緩めて車体の回転角を積極的に維持します。
綺麗にラップを刻めているときは電子制御の介入を減らし、運転が荒れてミスが増えると再びセーフティネットを引き締める仕組みです。
さらにステア・バイ・ワイヤと組み合わせることで、コーナーでハンドルを切りすぎてアンダーステアが出そうになった場合、システムが自動で舵角を絞って姿勢を整えることまで想定されています。
車体姿勢を即座に測る野球ボール大のセンサー
どれほど優れたアルゴリズムがあっても、正確なリアルタイムデータがなければ機能しません。
そこで鍵を握るのが、コンセプトカーのフェノメノとともに予告された野球ボール大の6Dセンサーです。
従来の車では、ロールやピッチなどの動きを複数の独立したセンサーが別々に計測し、モジュール間で通信して姿勢を推測していました。これでは数ミリ秒前の過去データを処理していることになります。
ランボルギーニの6Dセンサーは、6自由度の車体挙動を単一のユニットで高精度に計測し、遅延なくアルゴリズムへ送り込みます。
ドライバーの意図を汲み取るアプローチは他社も進めており、BMWも視線とステアリングトルクから追い越し動作を検知し、不要な車線逸脱警告を切る制御を開発しています。
なぜ重要か
近年のスーパーカーは性能が上がりすぎた結果、ドライバーの技量が最大のボトルネックになっています。
従来の安全制御は介入が唐突で興奮を削ぎがちでしたが、ドライバーの意図を察して裏でミスを消し込むランボルギーニのアプローチは非常にスマートだと私たちは考えます。
オーナーは自分の腕が上がったように感じながら、安全に車の限界付近を楽しむことができます。
一方で、ステアリングの入力角までソフトウェアが改変してしまう設計は、ダイレクトな操作感を愛するピュア派の反発を招く恐れがあります。
これからのハイパースポーツの競争は、単なる馬力比べから、どれだけ黒子に徹して運転手をプロレーサー気分にさせられるかというソフトウェア勝負に移りつつあります。
情報源 (1)
- thedrive.com(新しいタブで開きます)原文thedrive.com