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米JHUが新型義手を開発:触覚センサー搭載で極薄コップも潰さず把持

公開 拡散指数 33

ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが、高剛性骨格と柔軟なシリコン関節を融合した生体模倣義手を開発した。指先に3層の触覚センサーを内蔵し、日常物品を99.69%の精度で識別可能。水入りプラスチックカップも潰さず把持できるが、現在は外部コンプレッサーが必要となる。

画像:studyfinds.org

水が入った薄いプラスチックのコップを指先でそっと持ち上げるのは、人間には造作もないことですが、義手にとっては長年の難題でした。硬い義手は握力が強い反面、加減ができずにコップを押し潰してしまいます。一方で柔らかいソフトロボット義手は優しく包み込めるものの、力が弱く、どちらも「触った感触」が分かりません。

米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが、この矛盾を解消する生体模倣バイオニックハンドを開発しました。学術誌『Science Advances』に掲載された論文によると、硬い骨格と柔軟なシリコン関節を組み合わせ、人間の皮膚構造を模した多層触覚センサーを指先に埋め込んだといいます。

硬い骨と柔らかい関節、そして三層の人工触覚

研究チームが取ったアプローチは極めて合理的でした。人間の手と同じように、硬い骨と柔らかい肉を共存させたのです。

義手の内部には3Dプリントされたポリ乳酸製の硬質骨格を配置し、その周囲をドラゴン・スキン10と呼ばれるシリコンゴム製の空気圧関節で覆いました。各指に3つの関節を持たせ、自然な屈曲を可能にしています。

さらに画期的なのが指先のセンサー構造です。人間の皮膚に存在する機械受容器のように、外層と中間層に圧抵抗ファブリックセンサー、内層に圧電センサーを配置しました。微小な振動から皮膚の伸びまでを検知し、神経パルスに似た電気信号へと変換します。

実験では、26種類の異なる質感を98.38%という高精度で識別しました。これは従来のソフト指(82.31%)や硬質指(83.02%)を大きく上回る数字です。水筒や食器、ぬいぐるみなど15種類の日常品も99.69%の精度で見分け、3本の指だけで満水の薄型プラスチックコップをへこませることなく持ち上げることに成功しました。

効率は大幅改善も、実用化には課題が残る

エネルギー効率の面でも大きな進化を遂げています。従来のソフト義手が28psiの空気圧で0.55ニュートンしか出せなかったのに対し、今回のハイブリッド設計はわずか7psiの圧力で1.8ニュートンの握力を発生させました。空気圧を4分の1に抑えながら、握力は3倍以上に跳ね上がっています。

腕の残存筋肉の電気信号を読み取る筋電位(EMG)制御にも対応しています。

ただし、今すぐ日常生活で使えるわけではありません。1.8ニュートンの握力はソフトハンドとしては優秀ですが、人間の指(約32ニュートン)や一般的な硬質義手(約34ニュートン)と比べるとまだ非力です。加えて、動作には外部のエアコンプレッサーが必要であり、切断障害者を対象とした直接的な神経フィードバック試験もこれからの段階です。

なぜ重要か

義手を使う当事者にとって、触覚のない機械の手で生活するのは、常に視覚で確認し続けなければならない極度の緊張を強いられます。今回の開発は、硬さか柔らかさかの二者択一から抜け出し、人間の手の解剖学的利点をそのまま機械に落とし込んだ点が極めて秀逸だと私たちは考えます。

指先が滑りを自律的に察知して力加減を変えられるようになれば、愛する人の手を握る時や壊れやすいグラスを扱う時の恐怖感が劇的に減るはずです。

また、この技術は義手にとどまらず、人型ロボットや介護ロボットのハンド開発にとっても重要な布石になります。家庭内での家事やピッキング作業において、壊れやすいものを安全に扱うためのブレークスルーになり得ます。

課題はやはり空気圧源のポータビリティです。コンプレッサーを背負って歩くわけにはいかないため、超小型ポンプの内蔵や、モーター駆動へのセンサー技術の応用が進むかどうかが、実用製品化への分水嶺となるはずです。

情報源 (1)

  1. [1]
    studyfinds.org(新しいタブで開きます)原文studyfinds.org

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