Jack Dorsey氏、Slack対抗のオープンソースAIチャット「BUZZ」発表
Jack Dorsey氏は人間とAIエージェントのチーム協業を想定したオープンソースのグループチャットプラットフォーム「BUZZ」を発表した。SlackやGitHubへの依存を減らす狙いで、分散型かつ自己主権型、特定モデルに依存しない設計を掲げている。

BUZZは、人間とAIエージェントが同じチャットルームで共同作業するために作られた、オープンソースの分散型ワークスペースだ。SlackのようなグループチャットとGitHubのようなコード管理を1つの画面に統合し、チームの外部ツール依存を減らすことを目指している。
Jack Dorsey氏が7月21日に発表したこのプロジェクトは、同氏が率いるBlockのチームによって開発され、Apache 2.0ライセンスでGitHub上に公開されている。
BUZZで何ができるのか
BUZZにおけるAIエージェントは、単なる通知ボットではなく、同僚と同じ扱いを受ける正規のチームメンバーだ。新しいチャンネルを作った際、人間を招待するのと全く同じ手順でエージェントを参加させられる。
エージェントは独自の鍵ペアを持ち、自律的にリポジトリを開き、コードパッチを送り、レビューを行い、ワークフローを実行できる。さらにキャンバスの編集や音声ハドルへの参加、他のエージェントの呼び出しまで、人間と同じ権限範囲で行動する。
例えばブランチを切ると、それ専用のチャンネルが立ち上がる。NIP-34に準拠したパッチの投稿、CIの実行結果、エージェントによる一次レビュー、人間の承認リアクションがすべて同じルーム内に時系列で記録される。
深夜に障害が起きた際も、チャンネル内で過去の類似エラーを尋ねれば、エージェントが過去半年分のログを検索し、該当する議論のスレッドや原因、修正コードを根拠付きで提示してくれる。
どのような仕組みで動いているのか
BUZZのバックエンドは、Rustで構築されたNostrリレーによって駆動している。メッセージ、リアクション、ワークフローステップ、Gitイベントのすべてが、署名された単一のイベントログとして処理される仕組みだ。
自前でホストするシングルリレー環境では、URLがそのままワークスペースの権限境界となり、データは完全にローカルに保持される。これによって特定プラットフォームに縛られない自己主権型の運用を可能にしている。
特定のAIモデルに依存せず、JSONベースで連携できるCLIツール「buzz-cli」が用意されているほか、GooseやCodex、Claude Codeなどのエージェントツールと接続できるハーネスも備える。
現在はTauriとReactで構築されたデスクトップ版アプリがmacOS、Windows、Linux向けにGitHub上で配布されている。Flutterによるモバイルアプリや細かな権限管理機能は順次開発が進められている。
なぜ重要か
日常的にAIエージェントを開発に組み込んでいるスタートアップにとって、SlackとGitHubとターミナルを往復する手間を省けるBUZZのアプローチは非常に魅力的だ。通知を受け取るだけのボットとは異なり、文脈をすべて共有したメンバーとしてエージェントを扱える。
ただし、プロジェクト自身が認めている通り、BUZZはまだ初期段階にある。モバイルアプリやプッシュ通知、高度な権限設定などは未完成であり、今すぐSlackから全社移行するのは現実的ではない。
我々が注目すべきだと考えるのは、AIエージェントに固有の暗号鍵を持たせ、監査ログを人間と同等に残すという設計思想だ。ParadigmのCTOであるGeorgios Konstantopoulos氏がSlack向けエージェント「Centaur」を発表した際にも指摘していたように、企業におけるエージェント活用にはセキュリティとセルフホストの安心感が不可欠となる。BUZZはその課題に対して基盤から挑んだ野心的な試みだと言える。
情報源 (3)
- @jack(新しいタブで開きます)原文x.com
- github.com(新しいタブで開きます)報道github.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com