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研究

手術室内でがん細胞を3分で即時解析:InvenioがNVIDIAと開発

公開 拡散指数 31

医療スタートアップのInvenio Imagingが、手術室内で組織生検を即座にAI解析するシステムを発表した。NVIDIA Jetsonを活用し、通常数週間かかる病理検査をわずか3分に短縮。脳腫瘍や肺がんの手術中に医師がその場で切除判断を下せるようになる。

手術室内でがん細胞を3分で即時解析:InvenioがNVIDIAと開発
画像:blogs.nvidia.com

生検の結果を待つ数週間は、進行の早い腫瘍を抱える患者にとってあまりに長い時間です。シリコンバレーの医療機器スタートアップ Invenio Imaging は、この病理検査にかかる時間をわずか 3 分に短縮する技術を手術室向けに開発しています。

病理検査ラボに組織を送って結果を待つのではなく、執刀医がその場でがん細胞の有無や分子特徴を把握できるようにするアプローチです。

手術室で即座に組織を可視化する

Invenio が展開する NIO レーザーイメージングシステムは、採取したばかりの未固定の生検組織を迅速にデジタル画像化する装置です。欧州では 2021 年に CE マークを取得し、欧米で数千件の手術実績を持っています。

同社は次世代システムに向け、エッジ AI モジュールである NVIDIA Jetson Orin と TensorRT SDK の採用を進めています。画像を表示するだけでなく、どのようながん細胞が存在するかをほぼリアルタイムに推論して提示するためです。

モデルの開発には病理医のアノテーション付きデータを用い、NVIDIA RTX A6000 GPU クラスターと TensorFlow を使って数千万パラメータ規模のニューラルネットワークを学習させています。CTO の Chris Freudiger 氏によると、GPU の大容量 VRAM により大容量の画像バッチを読み込める点が、高精度な特徴学習を支えています。

90秒で93%の精度を達成

臨床応用も着実に進んでいます。脳組織向けツール NIO Glioma Reveal は欧州で臨床使用が認められており、米国でも研究用途で提供されています。

ミシガン大学、ニューヨーク大学、UCSF、ウィーン医科大学、ケルン大学病院の研究チームは、同プラットフォームを用いて 90 秒以内に 93% の精度で腫瘍のバイオマーカーを検出するディープラーニングモデルを開発しました。

さらに同社は今年、ジョンソン・エンド・ジョンソンの肺がんイニシアチブと提携し、肺生検向けの NIO Lung Cancer Reveal の共同開発を開始しました。米国だけで年間 150 万人以上に見つかる肺結節の診断を早める狙いで、臨床試験を経て米 FDA の承認申請を目指す方針です。

なぜ重要か

私たちは、Invenio の試みの核心は「AI を最も時間の制約が厳しい手術現場に持ち込んだこと」にあると考えています。

これまでの医療 AI の多くは、放射線科の読影補助など事後的な解析が主流でした。しかし術中判断においては、腫瘍を完全に取り切れたか、あるいは追加で切除すべきかの判断が数分以内に求められます。数分で分子サブタイプの判定まで見通せるようになれば、再手術のリスクを大きく減らせます。

もっとも、手術中の判断に関わる以上、93% という高い精度であっても見逃しへの懸念は残ります。現段階では医師の判断を補佐する位置づけにとどまるため、FDA を含む各国の規制当局がどの水準の安全性と再現性を求めるかが、今後の本格普及を左右することになりそうです。

情報源 (1)

  1. [1]
    blogs.nvidia.com(新しいタブで開きます)原文blogs.nvidia.com

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