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研究

Inherent Labs、27Bの「AI科学者」Faradayを発表 GPT-5.5を指揮して論文を再現

公開 拡散指数 36

Inherent Labsは27Bパラメータの研究エージェント「Faraday」を発表した。研究の仮説立案と実装を切り離し、自らはコードを書かずGPT-5.5 Codexを指揮することで、論文再現タスクにおいてClaude Opus 4.8やGPT-5.5を上回る成果を示した。

Inherent Labs、27Bの「AI科学者」Faradayを発表 GPT-5.5を指揮して論文を再現
画像:inherentlabs.ai

27Bの軽量モデルにGPT-5.5を指示させ、論文の再現タスクでそのGPT-5.5自身やClaude Opus 4.8に勝ってしまう。そんな一見信じがたいアプローチが、AI研究の最前線で現実のものになりました。

Inherent Labsは27Bパラメータの研究エージェント「Faraday」を発表しました。学術論文の実験結果を再現するタスクにおいて、フロンティアモデルを上回る精度を記録しています。

実装と仮説立案を切り離す発想

Faradayの最大の特徴は、自分自身でコードを書かない点にあります。

従来の巨大モデルのように仮説立てからコーディング、デバッグまで単体で抱え込むのではなく、Faradayは研究の判断と探索のみに集中します。実際のプログラミング作業は、外部ツールとして呼び出すGPT-5.5 Codexに任せています。トレーニング時にはGPT-5.4-miniを指揮する訓練を受け、本番環境ではより強力なエージェントへそのまま指示を汎化させることに成功しました。

タスクの設計も工夫されています。エージェントには論文の本文テキストのみを与え、図表は一切見せません。論文には通常、成功したプロセスしか書かれていないため、限られた計算リソース内で結果を再現するには、仮説に基づいた試行錯誤が不可欠になります。

正解のない科学研究でいかに強化学習を行うか

科学研究を自動化する上で最大の壁は、数学のように検証可能な明確な正解がないことです。元OpenAIのLilian Weng氏が指摘したように、研究の筋の良さや新規性を測る評価器は極めて曖昧で、PaperBenchにおけるスコアも約21%と人間の博士課程レベルを大きく下回っていました。

Faradayはこの課題に対し、タスクごとの評価ルーブリックを動的に生成する判定モデルを導入しました。複数サンプルの集約とターン単位の信用割り当てを組み合わせることで、評価ノイズを抑えて強化学習を回しています。

これは清華大学が公開した「openrsi」(35BモデルでMLE-Bench LiteにおいてGPT-5.6 Solに肉薄)と同じ潮流です。機械学習や科学研究の現場において、「軽量モデル+優れたツール活用」が単一の巨大モデルを凌駕し得ることを示しています。

なぜ重要か

研究者やエンジニアにとって、論文の再現実装は膨大な時間を奪う重労働です。27B程度のモデルが司令塔となり、市販のコーディングAPIを使って再現実験を自動化できるなら、研究の検証サイクルは劇的に加速します。

業界全体にとっても、科学向けAIには超巨大基盤モデルが必須だという常識を覆す契機になります。仮説を立てる軽量な頭脳と、コードを書く巨大な手足という役割分担は、今後の自律型ラボの標準構成になる可能性を秘めています。

私たちは、Inherent Labsがコード生成を単なるツールとして割り切り、「研究の判断力」の獲得に注力した点を高く評価しています。一方で、自動生成されたルーブリックによる評価システムが、長期的な探索の中で過学習やハックを起こさないかどうかは、今後見極める必要があります。

情報源 (1)

  1. [1]
    inherentlabs.ai(新しいタブで開きます)原文inherentlabs.ai

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