Google、画像合成ツール「Whisk」を世界100カ国以上へ提供拡大
Googleは実験的AI画像ツール「Whisk」の提供を100カ国以上に拡大した。テキストプロンプトの代わりに最大3枚の画像を使って被写体・背景・スタイルを指定し、Imagen 3で合成できる。なお、EUや英国、インドなどは対象外となっている。

AI画像生成で最も骨が折れるのは、頭の中のイメージを言葉で説明することです。プロンプトを何行も書き連ねても、期待通りの構図や色合いが出ないことは珍しくありません。Googleはこの問題を、文字ではなく「画像」で解決しようとしています。
Googleは、実験的なAI画像リミックスツール「Whisk」の提供地域を世界100カ国以上に拡大しました。昨年発表された同ツールは、これまで数カ月間にわたり米国限定でテストされていましたが、デスクトップおよびスマートフォンのブラウザから世界中で利用できるようになりました。
テキストではなく3枚の画像で指示する
Whiskの最大の特徴は、従来の画像生成ツールと異なり、画像をベースに指示を組み立てる点にあります。
このツールでは、ユーザーが最大3枚の参考画像をアップロードし、「被写体(Subject)」「シーン(Scene)」「スタイル(Style)」という3つの主要要素をそれぞれ指定します。被写体に自分のペット、シーンにネオン街、スタイルに水彩画の画像を放り込めば、Googleの最新画像生成モデル「Imagen 3」がそれらを違和感なく統合して1枚の作品に仕上げます。
テキスト入力が完全に廃止されたわけではありませんが、テキストはあくまで各要素に細かい補足指示を加える補助的な役割にとどまります。
主要国の一部は依然として対象外
100カ国以上への展開とはいえ、利用できない主要地域も残されています。
現時点で、英国、欧州連合(EU)全域、インド、インドネシアなどは今回の提供拡大の対象外です。また、Googleは依然としてWhiskを技術デモの位置付けである「Google Labs」の実験的プロジェクトとして扱っています。
なぜ重要か
私たちの見解として、Whiskの試みはプロンプト疲れを感じていた一般ユーザーやクリエイターにとって非常に実用的なアプローチです。色味やタッチ、構図といった感覚的な要素を言葉で言語化するのは難易度が高いですが、手元の画像をコラージュ感覚で組み合わせられるなら、アイデア出しのハードルは劇的に下がります。
業界の視点では、Imagen 3の活用法として賢い差別化を図ったと言えます。OpenAIなどが長文プロンプトの解釈精度を競うなか、Googleは「ビジュアルによる指示」という直感的なUIで新しいユーザー体験を提示しました。
一方で懸念されるのは、権利関係と市場の分断です。EUや英国が含まれていない背景には、他者の画風や画像を直接取り込む機能に対する著作権やデータ保護の規制リスクが見え隠れします。手軽に遊べるツールとしては魅力的ですが、商業デザインの現場に組み込むには、法的なクリアランスを含めた課題がまだ多く残されているように見えます。
情報源 (2)
- @labsdotgoogle(新しいタブで開きます)原文twitter.com
- androidheadlines.com(新しいタブで開きます)報道androidheadlines.com