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Googleの動画生成AI「Veo 3」、パスタを食べる動画が超リアルになるも「音がパリパリ」の珍事

公開 拡散指数 48

Googleは火曜日、映像と同期した音声を同時生成できる動画生成AI「Veo 3」を発表した。8秒間の高精細クリップに対応する。定番の「ウィル・スミスがスパゲティを食べる」ベンチマークを試したところ、映像は劇的にリアルになった一方、なぜか麺をパリパリと噛み砕く効果音が鳴るバグが注目を集めている。

Googleの動画生成AI「Veo 3」、パスタを食べる動画が超リアルになるも「音がパリパリ」の珍事
画像:arstechnica.com

2年前、歪んだウィル・スミスがスパゲッティを貪り食う不気味なAI動画がネット上で拡散され、初期の動画生成AIの未熟さを象徴するネタとして定着しました。Googleが新モデルでこのパロディに再挑戦したところ、映像自体のクオリティは格段に上がったものの、フェイクのスミスが麺を口にするたびに、まるでポテトチップスを噛み砕くようなバリバリという音が響く事態となりました。

このモデルは、GoogleがI/Oで発表したVeo 3です。これまでのAI動画生成は基本的に無音の数秒クリップに限られていましたが、Veo 3は8秒間の高画質映像とともに、画面の動きに同期した人の声、セリフ、環境音などの音声を一度に合成できる点が最大の特徴です。

指示していないセリフを勝手に喋り出す

Veo 3の真価は単なる音付けにとどまらず、プロンプトで指示していないセリフをモデル自らが考えて発話させる点にあります。

海外メディアThe Vergeの検証によると、事件現場の短い情景を入力しただけで、指示を出していないにもかかわらず、画面内の警官が手を振りながら「道路を空けてください」と発話しました。桟橋にいる2匹の猫のアニメーションを生成させた際も、魚が釣れないとぼやく掛け合いと陽気なBGMが自動的に付与されたといいます。

ハーバード大学ロースクールの研究者は、実在する米国の国防長官が死去したという虚偽のニュース速報をキャスターが読み上げる映像を生成し、その精巧さを警告しています。Redditでは、プロンプトに抗議するAIキャラクターの動画が5万件以上の高評価を集め、病院の呼吸器の音や銃を突きつけられる緊迫した声など、リアルな音声が大きな話題を呼んでいます。

もちろん安全対策も講じられており、現職大統領の転倒や暗殺報道、自身の顔写真をアップロードして特定のセリフを言わせるディープフェイクなどは制限されます。それでも、一般的なランドマークの火災や火山の噴火といった災害シーンは簡単に作成できてしまいます。

スパゲッティの咀嚼音と子供向け動画の量産

スパゲッティがバリバリと鳴った理由は、AIの学習データの偏りにあります。口を動かして咀嚼する映像の多くに硬いものを噛む効果音が紐づいていたため、麺類という文脈を正しく解釈できずパターンを誤認したと考えられます。

また、Veo 3はYouTubeなどに溢れる低品質な幼児向け動画の量産にうってつけのツールになり得ます。モンスターカーがペンキのプールに飛び込むような単調な動画も、数分のプロンプト操作と自動BGM付与だけで完成してしまうためです。

現在この機能を利用するには高価なGoogle AI Ultraプランへの加入が必要で、8秒を超える長尺化を試みると旧世代のVeo 2にフォールバックして音声が消失するという仕様上の制約も残されています。

なぜ重要か

私たちは、Veo 3がAI動画の競争軸を映像の美しさから音画同期の統合体験へと決定的にシフトさせたと考えています。これまでは映像、声、環境音を別々のツールで作成して手作業でタイムラインに並べる必要がありましたが、1つのプロンプトでリップシンクまで完了する利便性は、短尺動画の制作ワークフローを根本から変える可能性があります。

一方で、モデルが自発的にセリフを捏造する仕様には小さくない懸念が残ります。プロンプトにない文言をAIが付け足す挙動は、表現の自然さと引き換えに、意図しない虚偽発言や扇動的な表現が紛れ込むリスクを跳ね上げます。著名人のブロックだけでは、ありふれた街の災害デマやフェイクニュースの拡散を防ぎきれません。

現時点では高額な課金と8秒の壁があるため、映画や本格的なドラマ制作の現場ですぐに使われることはないでしょう。むしろ最初に行き着く先は、手離れの良さを武器にしたSNS向けの短尺広告や、子供向けチャンネルを埋め尽くす質の低いコンテンツの大量生産の現場になりそうです。

情報源 (2)

  1. [1]
    arstechnica.com(新しいタブで開きます)原文arstechnica.com
  2. [2]
    theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com

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