Google フォトに「Video Remix」登場 動画を手軽にアート風変換
Google はGoogle フォトに「Video Remix」機能を追加した。Gemini Omni モデルを活用し、テンプレートを選ぶだけで暗い動画のライティング調整や背景差し替え、水彩画・油彩画風エフェクトを適用できる。一部地域の Google AI 有料プラン会員向けに提供を開始した。

スマホで撮った少し暗い動画を映画風に仕上げたり、絵画調に加工したりするには、これまで専門的な編集アプリと相応の手間が必要でした。
Google は 7 月 8 日、Google フォトの新機能「Video Remix」を発表しました。数回タップするだけで、日常の動画を数秒でスタイリッシュなクリップへ変換できる生成 AI ツールです。
基盤には、同社の最新モデルである Gemini Omni が採用されています。あらゆる入力から自在にコンテンツを生成できる同モデルの強みを、一般ユーザー向けアプリに落とし込んだ形です。
タップだけで絵画風や朝日のライティングへ
Video Remix は、Google フォト内の「作成」タブから利用できます。専門的な編集知識は一切不要で、あらかじめ用意されたテンプレートを選ぶだけで処理が完了します。
たとえば、薄暗い動画にシネマティックなリライティングを施して柔らかな朝の光を再現したり、味気ない背景を温室のような緑豊かな空間に丸ごと差し替えたりできます。
さらに、実写動画を水彩画やラフなスケッチブック調、油絵風のアート作品へ変換するエフェクトも搭載されています。
Google フォトでは最近、肌の補正や歯のホワイトニングといった微調整ツールや、手持ちの服を登録して試着できるデジタルクローゼット機能が追加されたばかりで、今回の動画編集もその機能拡充の一環です。
なお、Video Remix は誰でも使えるわけではありません。日本、アメリカ、韓国、インド、ブラジルなどの対象国において、Google AI Plus、Pro、Ultra の有料プラン契約者向けに順次提供が開始されています。
なぜ重要か
一般ユーザーにとって、動画のレタッチやエフェクト処理は写真以上にハードルが高い作業でした。Google が賢いのは、Gemini Omni の高度な処理能力を難解なパラメータではなく、ワンタップで試せるテンプレートとしてパッケージ化した点にあります。失敗した動画を手軽に映えるクリップへ手直しできる体験は、SNS 世代に刺さりやすいアプローチといえます。
一方で、クリエイター向けの本格的な制作ツールとして見ると、テンプレート任せの加工は細部の境界線処理などに粗が出る懸念があり、自由度も限られます。現時点ではあくまでカジュアルな遊び道具と捉えるのが妥当でしょう。
業界の視点では、Apple や Adobe、OpenAI と競合するなかで、Google が自社エコシステムの囲い込みを一段と強めた動きと見ることができます。最先端の AI 機能を Google フォトという日常アプリの実用機能として落とし込み、上位の有料サブスクリプションを継続させるための明確な動機付けにしています。
情報源 (2)
- blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com