Googleが写真AI検索「Ask Photos」の展開を一時停止、速度と品質の改善へ
Googleは「Google フォト」のAI検索機能「Ask Photos」の展開を一時停止した。担当PMは遅延や品質、操作性の課題を認め、従来の検索が持つ速度と再現性を取り戻した改良版を約2週間後に提供する予定だとしている。

Google がまたしても AI 機能の展開でブレーキを踏みました。
Google は、Google フォト内で提供を進めていた対話型検索機能「Ask Photos」の展開を静かに一時停止しました。この機能は昨年 5 月の I/O で発表され、昨年秋から対象ユーザーを徐々に広げていたものです。
停止の理由はシンプルで、実用レベルに達していなかったためです。Google フォトのプロダクトマネージャーを務める Jamie Aspinall 氏は X 上でユーザーからの不満の声に応じ、「Ask Photos はあるべき水準に達していない」と率直に認めました。同氏は原因として、レイテンシ(遅延)、検索品質、ユーザー体験の 3 点を挙げています。
最上位 Gemini でも超えられなかった壁
Ask Photos は、Google フォト向けに特別にチューニングされた最上位の Gemini モデルを採用した実験的機能でした。
写真に何が写っているかをマルチモーダルに把握し、画像内のテキストまで読み取ったうえで、「過去の子供の誕生日会で選んだテーマは?」や「以前訪れた国立公園は?」といった日常的な問いかけに答えて該当する写真や動画を提示するはずでした。
しかし実際の使用感は、応答が遅く、求めている写真が素直に出てこないという課題に直面しました。Aspinall 氏によると、現在は展開対象をごく少数の規模にとどめて停止しており、2 週間ほどで元の検索が持っていたスピードと再現率を取り戻した改善版を届ける予定だとしています。
皮肉なことに、Google は同週の火曜日に従来のキーワード検索の強化も発表しています。検索語を二重引用符で囲むことで、ファイル名やカメラの機種名、説明文、画像内のテキストと完全一致検索ができるようになり、引用符なしなら視覚的マッチも含めて探せるようになります。
Google が AI 関連機能の提供を急遽止めるのはこれが初めてではありません。昨年 5 月には検索の「AI Overview」がピザに接着剤を塗るよう勧めたりオバマ元大統領を初のイスラム教徒大統領と呼ぶなどの不正確な回答を連発して一時停止に追い込まれました。昨年 2 月にも、Gemini の画像生成機能が米国の建国の父を有色人種として描くなど歴史的正確性を欠いたことで即座に停止された前例があります。
なぜ重要か
日常的に使うツールにおいて、ユーザーが求めているのは賢いおしゃべりではなく、迅速さと確実性であるという現実を今回の件は改めて突きつけています。
写真を探す場面の多くは、誰かにすぐ見せたい時や証明書類を探す時など、数秒以内の結果が求められる瞬間です。どれほど高度な AI モデルが背後で動いていようと、数秒待たされた挙句に目当ての写真を見落とすようでは、ツールとしての信頼を失ってしまいます。
一般ユーザーにとっては、急いで AI 検索機能に頼る必要はまだ薄いと言えます。むしろ火曜日に実装された二重引用符による完全一致検索の方が、ファイル名や写り込んだ文字から確実に写真を探し出せるため、はるかに実用的です。
業界全体にとっても、生成 AI を基礎的な検索機能へそのまま組み込む難しさを再認識させる動きとなりました。どれほど巨額の投資を行ったフロンティアモデルであっても、従来のインデックス検索が持つ低遅延と高い再現性に勝てなければ、ユーザーは結局昔ながらの検索バーを求めることになります。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com