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業界動向

GoogleやNVIDIAら、AIエネルギー管理同盟「AEMA」発足 電力網に柔軟対応するデータセンター推進

公開 拡散指数 45

Emerald AI、Google、NVIDIAは電力網の状況に応じて消費電力を動的に調整する「柔軟なデータセンター」の普及を目指し、AIエネルギー管理同盟(AEMA)を設立したと発表した。負荷シフトや蓄電活用で電力網の負担を減らし、AIインフラの接続認可の迅速化を目指す。

GoogleやNVIDIAら、AIエネルギー管理同盟「AEMA」発足 電力網に柔軟対応するデータセンター推進
画像:blogs.nvidia.com

最先端のAIチップをいくら手に入れても、それを稼働させる電力がなければただのシリコンの塊です。いま米国のデータセンター拡張において最大の壁となっているのは、電力網への接続待ち時間です。

この送電網の逼迫をクリアするため、テック大手と電力業界が手を組みました。

電力グリッドソフトウェアを手がけるユニコーン企業のEmerald AI、Google、NVIDIAは、「AIエネルギー管理アライアンス(AEMA)」の発足を発表しました。この枠組みにはAnthropicのほか、AES、Constellation、National Grid、NRG Energyといった米国の主要電力会社が名を連ねています。

ディーゼル発電機を回す代わりに、負荷を逃がす

従来のデータセンターは、常に一定の大量電力を消費し続ける柔軟性のない存在でした。送電網が逼迫するピーク時には、排ガスを出す非常用ディーゼル発電機を回して凌ぐのが一般的でした。

AEMAが推進するのは、ソフトウェアによる高度なデマンドレスポンスです。電力網の負荷が高まった際、優先度の低い計算処理を一時停止したり、余力のある別地域のデータセンターへ計算負荷を瞬時に移動させたりします。

AEMAの試算によれば、データセンターが電力網の状況に応じて動的に電力消費を調整できるようになれば、既存の送電網インフラのままでさらに100ギガワット(GW)分のデータセンターを追加接続できる見込みです。ゴールドマン・サックスが昨年公表した試算でも、ピーク時の消費電力を数時間だけ90%に制限することで、76ギガワットの容量を解放できると指摘されていました。

Energize CapitalとDCVCの主導でシリーズAにて1億5000万ドルを調達したEmerald AIの技術は、電力会社からの要請をデータセンターの制御機構へ直結させ、蓄電池並みのスピードで電力消費を絞ることを可能にします。

柔軟性を見返りに、接続のスピードパスを狙う

アライアンスが提示した原則は、特定のハードウェアに依存しない「テクノロジー中立」かつ「性能重視」です。具体的にどの設備を使うかではなく、送電網の緊急事態にどれだけ迅速に応答し、何時間電力を削減できるかという実績値で評価されます。

テック陣営の狙いは明確です。電力網の安定化に寄与できる柔軟な施設であることを証明する代わりに、長蛇の列となっている送電網への接続審査を優先的にパスさせ、設備増強にかかる費用分担を適正化することです。

もっとも、Emerald AIのチーフサイエンティストであるAyse Coskun氏が語るように、このソフトウェア技術は新規発電所建設の圧力を和らげることはできても、電力不足そのものを完全に解消する魔法の杖ではありません。

なぜ重要か

AEMAの発足は、AI競争の主戦場がデータセンターの内部から、外部の電力インフラとの協調関係へと移ったことを示しています。

エンドユーザーやアプリ開発者にとって、この取り組みは将来的な計算コストの急騰を抑える命綱になり得ます。電力インフラの制約で機房の増設が止まれば、計算リソースの希少価値が上がり、API利用料やサブスクリプション価格に跳ね返ってくるためです。

テック大手が自らを「送電網を脅かす電力量泥棒」から「有事の際に電力を譲れる調整弁」へと再定義した戦略は非常に巧みです。新設に十年近くかかる物理的な送電線を待つのではなく、ソフトウェアで仮想的な容量を生み出して接続許可を勝ち取る動きは合理的と言えます。

ただ、懸念がないわけではありません。数万基のGPUを同期させて行う大規模モデルの事前学習は、途中で止めたり再開したりするたびに莫大なコストと遅延が発生します。電力会社から真夏の猛暑日に急な給電カットを求められた際、テック企業が自社の開発スケジュールを犠牲にして本当に約束通りの削減を実行できるのか、運用の実効性が問われることになります。

情報源 (2)

  1. [1]
    blogs.nvidia.com(新しいタブで開きます)原文blogs.nvidia.com
  2. [2]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

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