Google、責任あるAI研究に2000万ドルの基金を設立
Googleは「Digital Futures Project」を発足し、Google.orgを通じて2000万ドル規模の基金を立ち上げた。ブルッキングス研究所やMITなど世界の主要シンクタンクや研究機関を助成し、AIが雇用や安全保障に与える影響、公共政策やガバナンスの枠組みに関する独立した研究を支援する。

AIの開発競争が加速する一方で、そのルール作りや社会的影響への対応は後手に回りがちです。
Googleは、AIがもたらす課題と機会に対処するための新構想「Digital Futures Project」を立ち上げました。これに伴い、慈善事業部門のGoogle.orgを通じて2000万ドル(約30億円)の基金を設立し、世界各国のシンクタンクや学術機関に助成金を提供することを発表しました。
外部シンクタンクに託す3つの重要課題
この2000万ドルの基金は、Google社内ではなく独立した研究機関による政策研究や議論を支援するためのものです。
最初の助成対象には、ブルッキングス研究所、カーネギー国際平和基金、戦略国際問題研究所(CSIS)、アスペン研究所、新アメリカ安全保障センター、MIT Work of the Futureなど、政策分野で大きな影響力を持つ米国の著名機関が名を連ねています。
研究テーマとして掲げられているのは主に3点です。AIが国家や組織の安全保障に与える影響、雇用や経済への打撃と労働力移行への対策、そして責任あるイノベーションを促すための業界横断的なガバナンス体制の構築です。
なぜ重要か
テック大手が自ら資金を出して政策研究を後押しする動きは、極めて計算された一手と言えます。
学術機関やシンクタンクにとって、AIが労働市場や社会秩序に与える影響を掘り下げるための独立した資金が得られるメリットは大きいです。一方で、規制対象となるプラットフォーム企業から直接助成金を受け取ることで、提言の中立性が保たれるのかという懸念は常に付きまといます。
産業全体で見れば、各国政府がAI規制法案の策定を急ぐなか、Googleは政策立案者に影響を与えるシンクタンクへ先手を打ってアプローチしているように見えます。自分たちを縛るルールが作られる前に、議論の前提となる調査研究の枠組みを支えておく狙いがあると考えられます。
基盤モデルの性能競争だけでなく、将来の法規制や標準化の主導権争いにおいても、巨額の資金を投じた外堀の埋め合いがすでに始まっています。
情報源 (1)
- blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google