Google、賞金100万ドルの「世界AI映画賞」を開催:自社AI製作品を募集
Googleはクリエイター向けに賞金100万ドルの「グローバルAI映画賞」の募集を開始した。応募作は7〜10分の短編で、映像の70%以上をVeo 3やGeminiなどGoogleのAIツールで生成する必要がある。応募締め切りは2025年11月20日で、2026年1月にドバイで開催されるサミットで受賞者が発表される。

10分間の短編映画を撮って100万ドルがもらえるとしたら、制作環境をすべてAIに預けてみる価値はあるでしょうか。
Googleは、同社のAIツールを活用した短編作品を募る「Global AI Film Award」の応募受付を開始しました。優勝者には、2026年1月にドバイで開催されるクリエイター向け大型イベント「1 Billion Followers Summit」から、賞金100万ドルが授与されます。
100万ドルを狙うための厳格な条件
今回のコンテストは、気軽な動画投稿企画とは一線を画す厳しい参加条件が設定されています。
作品の総尺は7分から10分以内でなければなりません。言語は自由ですが、英語以外の作品には英語字幕を付ける必要があります。
複数作品の応募も可能ですが、各エントリーは必ず個人1名の名義で提出する必要があります。
そして最大のポイントは、映像コンテンツの7割以上をGoogleのAIツールやモデルで生成しなければならないという点です。
カット編集や仕上げに別の編集ソフトを使うことは認められていますが、映像生成の主幹部分はGoogle製品に限定されます。募集期間は2025年11月20日までで、選考は映像・技術の専門家で構成される審査員団が担当します。
提示された2つのテーマと制作ツール群
作品は2つのテーマのいずれかに沿って制作する必要があります。
ひとつは未来への前向きな視点を描く「Rewrite Tomorrow」、もうひとつは世界中の知られざる感動物語を発掘する「The Secret Life of」です。
制作にあたり、Googleは自社ツールを総動員する体制を整えています。
映像生成には最新モデルのVeo 3が指定されており、街の環境音や登場人物の会話音声を含めた多言語映像の生成が可能です。
構図や登場人物の一貫性を保ちながら演出を行うツールとしてFlowが用意され、静止画の生成や編集にはGemini上で動く画像モデルNano Bananaが使えます。
なぜ重要か
AI動画コンテストとしては異例となる100万ドルの賞金は、既存の映像作家やプロのクリエイターを動かすのに十分な規模です。
しかし、7〜10分という長尺の映像で、かつ70%以上をAI生成に頼る制作は極めてハードルが高いと言えます。数十秒のデモ動画なら誤魔化せても、10分間観客を飽きさせない物語を描くには、キャラクターの同一性やカットのつながりを徹底的に管理しなければなりません。
業界の視点で見れば、Googleは莫大な賞金を投じることで、Veo 3やFlowの実用性を世界中のクリエイターに実証させようとしています。RunwayやSoraなどの競合がひしめくなかで、実制作のスタンダードを自社陣営に引き込む狙いが透けて見えます。
制作プロセス全体をGoogle製品に依存させる縛りはリスクでもありますが、2026年1月のドバイでどんな作品が選ばれるかによって、動画生成AIが本格的な商業映画の制作現場に耐えうるかどうかの答えが見えてくるはずです。
情報源 (1)
- blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google