Google、「Gemini Omni 1.2 Flash」を提供開始 15秒動画対応で30%値下げ
Googleは動画生成AI「Gemini Omni 1.2 Flash」の一般提供を開始した。ネイティブ生成時間が最長15秒に延び、料金は720p動画で1秒あたり0.07ドルと30%引き下げられた。対話形式による部分修正やキャラクターの一貫性維持、リップシンク向上に対応し、「Google Vids」では月3本まで無料で生成できる。

生成AIで作った動画は、人物の表情や構図が完璧でも、背景の小物が1つ違うだけで最初から作り直さざるを得ないことが珍しくありませんでした。運良く同じ顔が出るまでガチャを回し続けるのは、クリエイターにとって最大のストレスです。
Googleが一般提供を開始した「Gemini Omni 1.2 Flash」は、その無駄な試行錯誤を減らすことに焦点を当てています。ネイティブの動画生成時間は従来の10秒から最長15秒に伸び、APIの利用料金は720pで1秒あたり0.07ドルと従来比で30%安くなりました。
チャットで指示するだけで、背景や要素を差し替え
今回の最大の見どころは、対話形式でシーンの部分修正ができる「マルチターン編集」です。
キャラクターの動きやカメラワーク、甲冑の反射光をそのまま維持したまま、「背景をテントからオークの森に変えて」「石造りの城にして」と指示するだけで、該当箇所だけが自然に置き換わります。360pや720pの低解像度で素早くプロトタイプを作り、対話で細部を詰めてから1080pや4Kへアップスケールする運用が可能になりました。
人物や商品の一貫性も大幅に高まっています。モデルの写真と衣装の前後ショットを読み込ませれば、360度回転しても服のドレープやブランドロゴのタイポグラフィが崩れません。複数人の音声を正しくキャラクターに割り振るリップシンク機能も備わり、自然な掛け合いを生成できます。
一般ユーザーへの展開も早く、GoogleアカウントまたはGoogle Workspaceのユーザーなら、「Google Vids(vids.new)」で毎月3本まで15秒動画を無料で作成できます。Gemini APIやGoogle Cloudではすでに全面稼働しており、AdobeやFigma Weave、Monksなどのパートナーが制作現場への組み込みを進めています。なお、激しいスポーツシーンや複雑な物理シミュレーションはまだ課題として残っているとのことです。
なぜ重要か
私たちは、Googleが「動画の見栄え」を競うフェーズから「制作現場の実用性とコスト管理」に舵を切った点を高く評価しています。
15秒という長さは、SNS広告や製品紹介で1つのメッセージを過不足なく伝える最小単位です。10秒ではどうしても途中で切れていたプロモ動画が、1カットで完結する恩恵は現場にとって小さくありません。会話形式で修正できる仕組みと低解像度プレビューの組み合わせは、制作現場のやり直しコストを劇的に抑えます。
業界全体で見れば、スタンドアローンの動画生成AIサービスに対する強烈な価格圧力になります。720pで1秒あたり0.07ドルという単価に加え、Google Vidsによる無料枠、不可視のSynthID電子透かしまで一気に揃えてきました。Googleのクラウド基盤と配信網を前に、競合他社は付加価値の再定義を迫られるはずです。
一方で、高速なアクションや予測不能な物理挙動には依然として破綻が見られます。アパレルの試着動画や製品プロモーションには今すぐ試す価値がありますが、ダイナミックな映像作品の制作にはまだ割り切りが必要です。
情報源 (4)
- blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google
- blog.google(新しいタブで開きます)報道blog.google
- x.com(新しいタブで開きます)議論x.com
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