Google、Gemini 3.1 Pro搭載の「Deep Research Max」公開 MCP対応で図表生成も可能に
GoogleはGemini 3.1 Proを基盤とする自律型リサーチエージェント「Deep Research」と「Deep Research Max」を発表した。テスト時計算を強化したMax版のほか、MCPによる独自データ連携やレポート内のインライン図表生成に対応し、API経由でパブリックプレビューを開始した。

AIにリサーチを頼んだものの、ネット上の薄いまとめ記事をつなぎ合わせたような内容にがっかりした経験がある人は多いはずです。特に社内データや有料データベースにアクセスできない制約は、実務導入の大きな壁でした。
Googleはこの課題を解消すべく、Gemini 3.1 Proをベースにした次世代の自律型リサーチエージェント、Deep ResearchとDeep Research Maxを公開しました。Gemini APIのInteractions APIを通じて有料枠向けにパブリックプレビューが開始されており、まもなくGoogle Cloudでも提供される予定です。
リアルタイム用途と夜間バッチ処理の住み分け
今回のアップデートで興味深いのは、用途に合わせて2つのエージェントに分けた点です。
無印のDeep Researchは、昨年12月に提供されたプレビュー版を置き換える位置づけで、処理速度とコスト効率を重視しています。ユーザーが画面の前で待機するチャット画面など、低遅延が求められる対話型インターフェースへの組み込みに最適です。
一方のDeep Research Maxは、網羅性と推論の深さを追求したモデルです。追加のテスト時計算を活用し、検索、検証、推論を何度も繰り返しながらレポートを仕上げます。Googleは、夜間にバックグラウンドで走らせておき、翌朝アナリストが出社したときに完成度の高いデューデリジェンスレポートを確認する、といった使い方を想定しています。
実行前にエージェントが立てた調査プランを人間が確認し、指示を出して軌道修正できる共同計画機能も備えています。
独自データ連携とネイティブな図表描画
機能面で最大の進化と言えるのが、モデル・コンテキスト・プロトコルへの対応です。
これにより、自社のプライベートデータや専門プロバイダーのデータストリームを安全に接続できるようになりました。GoogleはすでにFactSetやS&P Global、PitchBookと連携し、金融データを扱えるサーバー設計を進めています。Web検索を完全にオフにして、指定した社内リポジトリ内だけでリサーチを行わせることも可能です。
また、レポート内にHTMLやNano Bananaを用いた高品質なチャートやインフォグラフィックを直接インライン生成できるようになりました。入力側もPDFやCSVだけでなく、画像、音声、動画を組み合わせて背景情報として読み込ませることができます。
なぜ重要か
私たちは、Deep Researchが単なる要約ツールから、企業の基幹ワークフローを担うエンジンへと脱皮したと見ています。
金融やライフサイエンスなど、情報の正確性が事業を左右する分野では、Web上の一般的な情報だけでは役に立ちません。今回MCP経由でFactSetなどの専門データに直接アクセスできるようになったことで、アナリストが何時間もかけて行っていた初期リサーチや情報集約作業を、実用レベルで任せられる環境が整いました。
競合に対するアプローチとしても巧みです。単に文章の巧みさを競うのではなく、専門データホルダーを巻き込み、図表作成までを一括で完結させる仕組みを用意したことで、エンタープライズ領域での実用性を一気に引き上げました。
ただし、Deep Research Maxのように長時間の推論を回す構成では、APIの利用コストが跳ね上がる懸念があります。どの業務を即答型のDeep Researchに任せ、どこからを有償の長時間処理に回すか、ユーザー側での見極めが不可欠になるでしょう。
情報源 (1)
- blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google