本文へスキップ
IFAI

AIモデル

Google、次期主力「Gemini 3.5 Pro」の提供を数カ月延期 コーディング性能不足で

公開 拡散指数 48

Googleの次期主力AI「Gemini 3.5 Pro」の公開がプログラミング能力の不足により数カ月遅れていることが分かった。6月下旬の学習データ更新でも十分な成果が出ず、OpenAIやAnthropicに差をつけられる焦りから社内に不満が募っている。この影響でAlphabet株は一時3.2%下落した。

Google、次期主力「Gemini 3.5 Pro」の提供を数カ月延期 コーディング性能不足で
画像:bloomberg.com

生成AIの覇権争いにおいて、コーディング能力は各社の実力を測る最もシビアな指標となっています。その最前線で、Googleが苦戦を強いられています。

Bloombergの報道によると、Googleは最上位フラッグシップモデルであるGemini 3.5 Proの提供予定を数カ月延期しています。最大の要因は、同モデルのコーディング能力が社内の目標値に届いていないためです。この報道を受けて、Alphabetの株価は一時3.2パーセント下落しました。

6月下旬のデータ更新でも挽回できず

10人の現職および元従業員が明かしたところによると、開発現場のエンジニアや研究者、マネージャー層には焦りと不満が広がっています。直近でコーディング性能に優れたモデルを相次いで投入しているAnthropicやOpenAIに対し、市場の主導権を奪われかねないという危機感が高まっています。

チームは遅れを取り戻すため、6月下旬に訓練データを大幅にアップデートして改善を図りました。しかし、得られたテスト結果は期待を裏切るもので、社内基準をクリアするには至りませんでした。

社内競合と大企業特有の承認プロセス

技術的な壁に加えて、Google内部の構造的な課題も開発の足を引っ張っています。

関係者によると、社内ではツールの分断が進んでおり、Google Cloud、DeepMind、Androidの各チームがそれぞれ競合するAIコーディングツールを独自に開発している状況だといいます。

さらにGeminiは、検索、マップ、YouTubeといったGoogleの主要プロダクト群へ横断的に組み込むことが前提となっています。関与する関係者が多岐にわたり、各部門の調整と承認に時間がかかることも、リリースが遅れる大きな要因となっています。

なぜ重要か

プログラミング支援は、ユーザーが日常の作業フローにツールを定着させる上で最も重要な領域です。完成度が低いままリリースして過去の二の舞になるのを避けた判断自体は賢明と言えますが、失う時間の代償は決して小さくありません。

開発者の視点で見れば、すでにAnthropicやOpenAIのツールが開発現場に深く入り込んでいます。ワークフローの乗り換えには高いスイッチングコストが伴うため、現時点でGemini 3.5 Proの登場を待つ理由は薄く、いま使える実績あるモデルを採用するのが賢明に見えます。

業界全体から見れば、今回の遅延はGoogleの組織的な課題を浮き彫りにしました。研究人材と計算資源は世界最高峰でありながら、DeepMindやCloud部門が足並みを揃えられず、サービス統合の手続きに忙殺されています。私たちは、Googleがこの社内競合と組織の肥大化を解消しない限り、モデル単体の性能向上を図っても、身軽に動く競合に対して後手に回り続けるリスクがあると見ています。

情報源 (1)

  1. [1]
    bloomberg.com(新しいタブで開きます)原文bloomberg.com

毎日のAIピックアップ