Google Fi、通話にAIノイズ低減を導入 固定電話や旧型端末の声もクリアに
Googleは通信サービス「Google Fi」に通話の背景雑音を抑えるAI音声強化機能を導入すると発表した。相手が固定電話や旧型端末を使っていても音声をクリアに補正する。来月より自動で有効化されるほか、アプリ内でのAI請求書要約機能も提供される。

騒がしい街角を歩きながら電話をかけるとき、相手の声が雑音にかき消されて困った経験は誰にでもあるはずです。
これまではスマホ端末やイヤホン側のノイズキャンセリングに頼るのが一般的でしたが、Googleは通信キャリアのネットワーク側でこの問題を解決しようとしています。
Googleは現地時間火曜日、同社の通信サービス「Google Fi」において、AIを活用した音声ノイズ除去やWeb版RCSメッセージの刷新などを含む複数の新機能を発表しました。
固定電話相手でもクリアに、Web版RCSも強化
今回の目玉は、AI強化オーディオ機能です。通話中にAIフィルターが作動し、周囲の雑音を低減させながら声の明瞭度を引き上げます。
興味深いのは、通話相手が固定電話や古いガラケーなどを使っている場合でも効果を発揮する点です。Googleはより自然な会話ができるようになるとしています。
この機能は来月から順次展開され、標準で自動的にオンになりますが、不要な場合は設定からオフに切り替えることも可能です。
また、12月には「Messages for web」のインターフェースがアップデートされます。RCS規格への完全対応を果たし、パソコンのWebブラウザ上から高解像度の写真や動画をスレッド内でそのままやり取りできるようになります。
さらにGoogle Fiアプリ内には、AIによるパーソナライズされた請求サマリーも導入されます。毎月の料金の内訳や請求額の変動理由を解説してくれるほか、料金プランを変更した場合に将来の支払いがどう変わるかをシミュレーションしてくれます。
主要空港で自動暗号化Wi-Fi、半額キャンペーンも
外出先での通信環境を改善するため、「Wi-Fi Auto Connect+」の提供範囲も大幅に拡大されます。
この機能は、混雑する公共スペースで高品質なWi-Fiに自動接続してくれるものです。LAX(ロサンゼルス)、ORD(シカゴ・オヘア)、JFK(ニューヨーク)といった主要空港や、提携するショッピングモールなど、数百万か所が対象となりました。
Google Fi Wirelessのシニアプロダクトマネージャーを務めるJane Harnett氏によると、この機能に追加料金はかかりません。さらに、高品質Wi-Fiへの接続時に通信を自動で暗号化して保護する主要キャリアはGoogle Fiだけだとアピールしています。接続時にはステータスバーに「W+」アイコンが表示されます。
あわせて新規加入者向けのプロモーションも発表されました。端末を持ち込んで「Unlimited Essentials」または「Unlimited」プランに加入すると、15か月間にわたって月額料金が50パーセント割引されます。
なぜ重要か
Google Fiのような仮想移動体通信事業者(MVNO)は、大手キャリアから回線を借りてサービスを提供しているため、通信速度やデータ容量だけで差別化を図るのは容易ではありません。
その中で、AIノイズキャンセリングをネットワーク側で処理するというアプローチは非常に合理的です。手元の端末だけでなく、相手がどんな古い電話を使っていても恩恵を受けられるため、日常のコミュニケーションの摩擦を直接減らすことができます。
また、空港や商業施設などの公衆Wi-Fiに自動接続し、OSと統合された形で自動暗号化を施す機能も、頻繁に出張や旅行をするユーザーにとっては実用性の高い武器になります。
通話品質や公衆Wi-Fiのセキュリティといった、地味ながら毎日直面するストレスをソフトウェアの力で着実に潰していく手法は、Googleらしい手堅いアプローチだと考えられます。15か月間の半額割引も用意されており、同社エコシステムに親和性の高いユーザーにとっては乗り換えを検討する十分な理由になりそうです。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com