Google Cloud、NVIDIA H100搭載のA3インスタンスを一般提供開始
Google CloudはNVIDIA H100 GPUを搭載した新型A3インスタンスの一般提供を開始した。さらにPaxMLフレームワークのGPU対応やNGCコンテナ提供など、大規模モデル開発に向けた協業を強化している。

Google は自社製 TPU を強力に推進してきましたが、生成 AI の爆発的な計算需要を前に、NVIDIA との全面提携へ大きく舵を切りました。
Google Cloud Next の基調講演にて、NVIDIA の Jensen Huang CEO が Google Cloud の Thomas Kurian CEO と共に登壇し、NVIDIA H100 Tensor Core GPU を搭載した「A3」インスタンスの一般提供開始を発表しました。
あわせて NVIDIA は Google Cloud の Generative AI Partner of the Year に選出され、単なるハードウェア調達にとどまらないソフトウェア層での協業深化をアピールしています。
DeepMind も H100 を内部活用
今回の発表で特に目を引いたのは、Google 内部の DeepMind や研究開発部門自身が、基礎モデルの研究や推論に NVIDIA の H100 や A100 を利用している事実です。
ソフトウェア面でも深い統合が進んでおり、Google が大規模言語モデルの学習に用いる JAX ベースのフレームワーク「PaxML」が NVIDIA GPU 加速に対応しました。すでに NVIDIA NGC コンテナレジストリで即座に利用可能です。
さらに NVIDIA AI Enterprise が Google Cloud Marketplace に登場し、Vertex AI 開発環境にも NVIDIA の最適化ソフトウェアが組み込まれました。データ処理基盤の Dataproc でも Apache Spark 向け RAPIDS アクセラレータが導入されています。
すでに 1,000 社以上の生成 AI スタートアップが Google Cloud 上で NVIDIA 技術を活用しています。企業向け文章作成の Writer は NVIDIA NeMo を使ってモデルを 400 億パラメータ規模まで拡大し、動画生成の Runway もこの計算基盤を採用しています。
なぜ重要か
独自の TPU を擁する Google であっても、市場の大半を握る CUDA エコシステムを無視してクラウド競争には勝てないという現実を浮き彫りにしています。
ユーザーや開発者にとっては、Vertex AI などの便利な管理基盤を使い続けながら、待望の H100 クラスタへ容易にアクセスできるようになる点が最大のメリットです。PaxML の GPU 対応により、大規模モデルの訓練環境の選択肢が確実に広がります。
業界の構図として、Google のこの判断は極めて合理的だと考えられます。TPU への囲い込みを急ぎすぎれば、新興スタートアップはそのまま Azure などの競合クラウドへ流出してしまうからです。
ただし懸念点もあります。NVIDIA の GPU に大きく依存することは、調達コストの高止まりや供給制約のリスクをそのまま抱え込むことを意味します。独自チップと外部 GPU のバランスをどう維持するかが今後の課題になりそうです。
情報源 (1)
- blogs.nvidia.com(新しいタブで開きます)原文blogs.nvidia.com