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GoogleのBard、裏でコードを実行して推論精度30%向上 Sheets書き出しも対応

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GoogleはBardのアップデートを発表した。計算や論理的思考が必要な指示に対し、バックグラウンドでコードを生成・実行する仕組みを導入し、数学などの回答精度が約30%向上した。また、生成された表をGoogleスプレッドシートへ直接書き出す機能も追加された。

GoogleのBard、裏でコードを実行して推論精度30%向上 Sheets書き出しも対応
画像:blog.google

大規模言語モデルに桁数の多い掛け算をさせたり、単語を逆から綴らせたりして、見当違いな回答に苦笑いした経験は誰にでもあるはずです。従来のLLMは「次に来る確率の高い言葉」を予測しているだけで、本質的に論理計算を行っているわけではないからです。

Googleはこの弱点を補うため、Bardにバックグラウンドでコードを生成・実行させる新機能「暗黙的コード実行(implicit code execution)」と、Googleスプレッドシートへの直接エクスポート機能を追加しました。

直感で話すAIに「下書き用の計算用紙」を持たせる

Googleは今回の仕組みを、ダニエル・カーネマンの著書『ファスト&スロー』で知られる「システム1(速い思考)」と「システム2(遅い思考)」に対比して説明しています。

従来のLLMは、ジャズの即興演奏のように直感的で素早い「システム1」に近い挙動を示します。文章作成には向いていますが、筆算のように決まった手順を踏む計算は苦手でした。

今回導入された暗黙的コード実行により、Bardは計算や論理処理が必要なプロンプトを検知すると、裏側で自動的にプログラムコードを記述して実行します。

例えば「15683615の素因数分解」や「貯蓄の成長率計算」、「Lollipopという単語の反転」といった指示に対し、コードを実行した正確な計算結果をもとに回答を組み立てます。

Googleの社内テストデータによると、このアプローチによって計算を伴う文章題や数学タスクにおける回答精度が約30%向上したといいます。

また実用面のアップデートとして、Bardが作成した表形式データをワンクリックでGoogleスプレッドシートに書き出す機能も加わりました。ボランティアの名簿作りなど、表作成から実務への移行がスムーズになります。

ただしGoogle自身も認めている通り、万能ではありません。コードを生成すべき場面を見落としたり、生成したコード自体にバグがあったりして誤答するリスクは依然として残っています。

なぜ重要か

今回のアップデートは、言語モデルが抱える構造的な欠陥に対する極めて現実的な処方箋だと考えられます。

巨大なニューラルネットワークのパラメータだけで厳密な算術を解かせようとするのは非効率であり、ハルシネーション(もっともらしい嘘)の温床でした。確実性が求められる処理を伝統的なコード実行に委ねるハイブリッド構成は、実用化に向けた最短ルートです。

一般ユーザーにとっては、これまで敬遠されがちだった複利計算やテキストの整形処理をBardに任せられる安心感が増します。スプレッドシートへの直接出力も含め、単なる雑談相手から実務ツールへの脱皮を着実に進めています。

業界全体を見れば、OpenAIが先行して提供しているCode Interpreter的なアプローチに対し、Googleがワークスペース連携と統合しながら追従した格好です。

懸念されるのは、コード実行が「裏側で暗黙のうちに」行われる点です。ユーザーがコードのロジックを直接確認できない場合、もしコードの前提条件に誤りがあれば、一見すると論理的で完璧に見えるもっともらしい誤答を信じ込んでしまう危険性があります。

情報源 (1)

  1. [1]
    blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google

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