Google Assistantが生成AIで刷新へ:モバイル版から着手、組織再編と人員削減も
社内メールによると、Googleは「Assistant」をChatGPTやBardのような生成AI技術で刷新する方針を明らかにしました。モバイル版から着手し、組織の統廃合に伴い数十人規模の人員削減も実施されます。従来の音声アシスタントが本格的にLLM主導へシフトし始めました。

スマホの音声アシスタントに少し複雑な質問をして、「ウェブでこちらの情報が見つかりました」と検索結果を丸投げされた経験は誰にでもあるはずです。
Googleがついに、そんなお馴染みの音声アシスタントの根本的な刷新に乗り出します。米メディアのAxiosが入手した社内メールによると、Googleは生成AI技術を組み込み、ChatGPTや自社のBardのような大規模言語モデルを基盤としたシステムへとGoogleアシスタントを全面的に再構築する計画です。
組織を再編、モバイル版から着手
従業員宛てのメールは、Googleのバイスプレジデントであるピーユシュ・ランジャン氏とプロダクトディレクターのデューク・デュケリス氏によるものです。両氏は、最新のLLM技術を活用した「スーパーチャージ版アシスタント」の可能性を追求していく姿勢を示しました。
この刷新プロジェクトはすでに動き出しており、まずはモバイル版製品から開発がスタートしています。
開発スピードを加速させるため、アシスタント部門の大規模な組織再編も実施されました。サービスチームとサーフェスチームが統合され、モバイルチームは独立して運用されることになります。自然言語処理(NLP)チームや音声チームの体制も見直されました。
この方針転換に伴い、人員削減も行われます。アシスタントに携わる数千人の従業員のうち数十人が解雇の対象となり、対象者には社内で別の職を探すための最低60日間の猶予期間が設けられます。なお、当面は従来の仕組みと新しい生成AIアプローチを並行してサポートする方針です。
音声アシスタントの生き残りをかけた競争
音声アシスタントの刷新を急いでいるのはGoogleだけではありません。競合のAmazonも、長年展開してきたAlexaに生成AIを導入する大規模なリブートを進めています。
Googleアシスタントは登場から7年が経過し、毎月数億人ものユーザーに利用されています。しかし、ChatGPTの登場以降、あらかじめ決められた定型文しか返せない従来の音声AIは急激に色あせて見えていました。
なぜ重要か
ユーザー視点で見れば、大画面のチャット画面を開くことなく、端末の根幹にある音声入力で高度な生成AIが使えるようになる価値は非常に大きいと言えます。日常的なタスク管理や複雑な調べ物が、自然な会話だけで完結する未来が一気に近づきます。
業界全体にとっても、AIの主戦場が専用チャットボットからスマートフォンの標準OSへと移行する契機になります。Amazonだけでなく、Siriを抱えるAppleにとっても強力なプレッシャーとなるはずです。
もっとも、この取り組みには大きな課題も潜んでいると考えられます。従来の音声アシスタントの良さは、アラーム設定や家電操作といった単純な命令に対する「即答性」と「正確さ」でした。生成AI特有の回答の遅延やハルシネーション(もっともらしい嘘)が混入すれば、使い勝手を損ねる恐れがあります。賢さと確実性のバランスをどう取るかが、今後の成否を分けることになりそうです。
情報源 (1)
- axios.com(新しいタブで開きます)原文axios.com
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