Google、AI協調でクヌースの予想など未解決問題7件を解決 CPU自作・OS起動も
Google は、Gemini 3.7 Flash と連携するエージェントフレームワーク「Antigravity Teamwork」の成果を公開した。自律的なマルチエージェントにより、Lean で検証されたクヌースのサイクル予想を含む 7 件の未解決問題を解決したほか、xv6 OS を起動できる RISC-V CPU シミュレータをゼロから構築した。

難解な数学の証明や低レイヤのハードウェア検証を単一のAIに任せると、数分で文脈を見失いハルシネーションを起こしがちです。Googleはその打開策として、AI同士をチームにして数日間協調させる仕組みを強化しました。
数日間自律協調するエージェント部隊
Googleは開発環境「Antigravity」内のマルチエージェントフレームワーク「Teamwork」をアップデートし、「Gemini 3.7 Flash」と連携させました。複数の自律エージェントが役割を分担し、互いにレビューと批判を繰り返しながら、数時間から数日間にわたる長期の課題に取り組みます。
出してきた成果は非常に具体的です。理論計算機科学の領域では、FOCSやJMLRといったトップ学会・ジャーナルに関わる未解決問題7件を解決しました。高徳納(クヌース)のサイクル予想(Knuth's Cycles Conjecture)を解き、形式検証ツール「Lean」で40ページ超におよぶ完全な証明を記録したほか、TCSBenchで71%のスコアを達成しています。
システム開発でも、アウトオブオーダー実行に対応したクロック精度のRISC-V CPUシミュレータをゼロから構築しました。xv6 OSをシェルまで起動させ、実機ハードウェアに対するクロック誤差はわずか0.71%に抑えています。さらにOSSのEigenやParlayHashにも上流へコード貢献を行い、ParlayHashの挿入スループットを2倍にし、メモリ使用量を25%削減させました。
なぜ重要か
最大のポイントは、単一の巨大モデルに頼るのではなく、軽量なFlashモデルを複数並べて長期の反復検証をさせた点にあります。
Leanによる厳密な証明やCPUエミュレーションは、途中に1箇所でもミスがあれば成立しない世界です。Googleは推論コストを抑えたモデル同士に相互検証を行わせることで、時間をかけて論理の綻びを潰すアプローチを選びました。
私たちは、この「長時間の自律協調」が確立されることで、数学研究の補助だけでなく、コンパイラ開発やハードウェア検証といった極めて専門性の高いエンジニアリングの現場が大きく変わるとみています。巨大モデルの性能競争とは異なる、実務に効くAI活用の道筋を示しています。
情報源 (1)
- blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google