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AIモデル

Google、Gemini 2.5の対話型画像セグメンテーション機能を発表

公開 拡散指数 51

GoogleはGemini 2.5による対話型画像セグメンテーションを発表しました。単一の名詞だけでなく、「左から3番目の本」「ヘルメット未着用の作業員」や「破損箇所」といった複雑な関係性や抽象概念を自然言語で指定し、ピクセル単位のマスクをAPIで直接取得できます。

Google、Gemini 2.5の対話型画像セグメンテーション機能を発表
画像:developers.googleblog.com

写真の中の特定の物体をAIに切り抜かせたいとき、これまでは「車」や「犬」といった決まった名詞で指定するのが普通でした。多少賢いモデルでも「青いスキーブーツ」のような珍しい単語に反応できる程度で、「一番遠くにある車」や「左から3番目の本」といった日常会話のニュアンスはうまく拾えませんでした。

Googleは、Gemini 2.5において対話型の画像セグメンテーション(Conversational image segmentation)に対応したことを発表しました。言葉の文脈や位置関係、さらには否定や抽象概念まで理解して、指定された領域をピクセル単位で正確に切り抜くことができます。

言葉のニュアンスを理解してマスクを生成

従来の画像分割モデルは、ピクセルと単語を機械的に紐付ける処理が中心でした。今回のGemini 2.5が挑んでいるのは、自然言語の指示文を正しく解釈して対象を特定するタスクです。

発表によると、モデルは複数の複雑な問い合わせパターンに対応しています。「傘を差している人」といった物体同士の関係性の把握や、「左から3番目の本」のような順序の認識が可能です。

さらに比較級や条件分岐、否定表現にも対応します。「花束の中で最も枯れている花」を選び出したり、「座っていない人たち」だけを指定してマスクを作成したりできます。

特に目を引くのが、明確な視覚的定義がない抽象概念の認識です。例えば「天候による被害を受けた住宅」と指示すると、Geminiは一般知識を活用して、単なる光の反射や経年劣化の錆と嵐による凹みなどの被害を識別して切り抜きます。

画像内の文字を読み取るOCR機能も組み合わされているため、パッケージや看板の文字を手がかりに対象物を指定することもでき、多言語での指示にも対応しています。

単一のAPIで開発環境を大幅に簡素化

これまでこうした処理を実現するには、物体検出器や文字認識、領域分割モデルを複数組み合わせる複雑なパイプラインが必要でした。

Gemini 2.5では単一のAPIでこれが完結します。Googleは gemini-2.5-flash モデルの使用を推奨しており、思考予算(thinkingBudget)を0に設定した上で、境界ボックスとマスク、ラベルをJSON形式で出力させる構成をベストプラクティスとして挙げています。

現在、Google AI Studio上でインタラクティブに試すことができるほか、開発者向けのColabノートブックも公開されています。

用途としては、デザインソフトで「建物が落としている影」と言葉で指示して選択範囲を作ったり、工場の監視カメラから「ヘルメットを着用していない作業員」だけを瞬時に抽出したりする現場が想定されています。

なぜ重要か

今回の機能拡張は、AIの画像認識が「説明する」段階から「正確に操作する」段階へと踏み込んだことを示しています。

これまでマルチモーダルモデルは画像全体について流暢に語ることは得意でしたが、業務アプリケーションで求められるピクセル単位の正確な出力には別の専用モデルを頼る必要がありました。高度な言語理解と精密なマスク生成が単一の軽量モデルに統合された価値は非常に大きいです。

特に個人開発者や中小規模の現場にとっては、巨大な機械学習インフラを抱えることなく、手頃なAPIコールだけで高度な画像編集機能や点検ツールを作れるようになります。

抽象的な概念である「損害」や「散らかり」を常識に基づいて判断できる点も極めて実用的です。ただし、この柔軟さは裏を返せばモデルの主観的な解釈に依存することを意味します。保険の査定や危険箇所の検知といったミスが許されない領域では、完全自動化に頼り切るのではなく、人間が最終確認を行うワークフローが前提になると考えられます。

情報源 (1)

  1. [1]
    developers.googleblog.com(新しいタブで開きます)原文developers.googleblog.com

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