アイアンドームに着想:FireDomeがAIと自動発射で山火事を防ぐシステムを開発
イスラエルのFireDomeは山火事防御システムを発表した。AIカメラで火災の兆候を監視し、脅威を検知すると最大4分の1マイル先へ環境配慮型消火カプセルを自動発射する。無人かつオフグリッドで動作し、2025年5月にテストを予定している。
米ロサンゼルスで記録的な山火事が猛威を振るう中、イスラエルのスタートアップが軍事防衛システムの発想を取り入れた新たな消火システムを打ち出しました。
FireDome が開発しているのは、イスラエルの有名な防空システム「アイアンドーム」に着想を得た山火事防御システムです。特許出願中の本システムは、カメラと人工知能(AI)を組み合わせ、完全なオフグリッドで敷地を24時間監視し、脅威が迫った時だけ自動で作動します。
飛来する火の粉を自動迎撃
消火のアプローチは二段階です。まず火災を検知すると、機械式ランチャーから環境配慮型の難燃剤カプセルを発射し、延焼を防ぐ防火帯をすばやく形成します。
さらに重要なのが、強風で飛んでくる火の粉によって引き起こされる「飛び火」の迎撃です。AIが防御ラインを越えてきた小さな火種を自動で見つけ出し、個別に消火します。
TechCrunch の取材に対し、同社 CEO の Gadi Benjamini 氏が明かしたところによると、初代モデルの射程は約 400 メートル(4分の1マイル)となる見込みです。将来的には約 1.6 キロメートル(1マイル)先までカプセルを飛ばせるよう改良を進める計画です。
地上に人を配置せずに広範囲を防護できるため、人的被害をゼロに抑えられる点も特徴です。実証実験は 2025 年 5 月に開始され、2026 年には米国でのテストも予定されています。
なぜ重要か
米国における山火事の年間被害額は推計で最大 8930 億ドルに達し、現場の消防士の命を脅かす深刻な問題となっています。
ミサイル迎撃のアルゴリズムを火災防衛に転用するという着眼点は非常に優れています。特に重要インフラや山間部の孤立した住宅地にとって、無人で飛来する火の粉をピンポイントで叩く仕組みは実用的な解決策になり得ます。
ただし、課題も少なくありません。山火事現場の猛烈な上昇気流や濃煙の中で、AI カメラがどこまで火の粉を正確に認識できるのか、風に流されやすいカプセルを狙い通りに着弾させられるのかは未知数です。現時点では大規模な火災そのものを止めるというより、重要拠点の局所防衛用と見るのが現実的であり、2025 年 5 月の初テストで示される実効性に注目が集まります。
情報源 (1)
- interestingengineering.com(新しいタブで開きます)原文interestingengineering.com