Fiが犬用スマート首輪「Series 3+」発売:AIで掻きむしりや食事の変化を検知
ペットテック企業のFiが、AI搭載の犬用スマート首輪「Series 3+」を発表した。AIが吠える、舐める、掻く、食事などの日常行動を80%の精度で検知し、GPS追跡やApple Watch連携にも対応。病気の早期発見を支援する。
愛犬の体調不良は、目に見える症状が出たときにはすでに悪化していることが少なくありません。言葉を話せない犬の異変に、どうやっていち早く気づくかは飼い主共通の悩みです。
ニューヨークを拠点とするペットテック企業Fiは、リアルタイムで健康や行動の変化を検知する世界初のAI搭載スマート首輪「Series 3+(Series 3 Plus)」を発売しました。同社は2019年からスマート首輪を手がけています。
かゆみや飲水量の変化をAIが察知
従来のペット用トラッカーは歩数測定や脱走防止のGPSが中心でした。しかしSeries 3+は、日常の細かな仕草の検出に踏み込んでいます。
検知できるのは、吠える、舐める、体を掻く、食べる、飲むという5つの行動です。急に水を飲む量が変わったり、体を執拗に掻き始めたりといった見落としがちな変化を捉えます。
Fiによると、AIは実環境における数百種類の犬種データを学習しており、意味のある行動変化を80%の精度で捉えられるとしています。さらにアプリ側にはAIによる書類解析機能も追加され、動物病院の診療記録や保険書類をアップロードして日々の行動ログと照らし合わせることが可能です。
3カ月駆動バッテリーとGPS感度倍増
ハードウェア面でも実用的な進化を遂げています。GPSの信号感度は前モデルから倍増し、愛犬が万が一逃げ出してしまった際の捜索精度が高まりました。
本体は水深50メートルの海水試験をクリアしたIP68の完全防水仕様で、夜間の視認性を高めるライトを搭載しています。バッテリーは1回の充電で最長3カ月持続します。
また、Apple Watch専用アプリにも対応しました。手元で犬の居場所や現在の行動をすばやく確認できます。
カラーはイエロー、ブルー、ピンク、グレーの4色、サイズは5段階展開です。料金体系はハードウェア代込みのサブスクリプション方式で、月額14ドルから利用できます。
なぜ重要か
飼い主にとって、愛犬の「隠れた不調」をデータとして可視化できる価値は非常に大きいと言えます。皮膚炎による掻きむしりや腎疾患による飲水量の増加など、日常の些細な兆候を早期に察知できれば、高額になりがちな緊急診療を防ぎ、予防医療へと繋げることができます。
ただし、精度の公称値が80%である点には留意すべきです。5回に1回は誤検知や見落としの可能性があるため、過度に数値を気にして飼い主側が不安を抱え込まないリテラシーが求められます。
業界の視点で見ると、単なる「迷子防止GPS」から「AIによる予防健康管理」へ軸足を移したFiの戦略は極めて巧妙です。端末無料・月額14ドルからのサブスクリプションモデルは導入の敷居を下げつつ強固な収益基盤を作り出しており、競合のペットデバイス市場にAI機能の標準化を迫る動きになると考えられます。
情報源 (3)
- businesswire.com(新しいタブで開きます)原文businesswire.com
- techtimes.com(新しいタブで開きます)報道techtimes.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com