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オープンソース

自己進化型エージェント基盤「Raven」公開 4日間でFPSゲームと宣伝サイトを自力制作

公開 拡散指数 48

EverMind-AIがマルチエージェント基盤「Raven」をオープンソース公開した。エージェントを束ねる司令塔として機能し、自身の手順やツール選定をベンチマークに基づいて自己改善する。約4日間の連続自律動作でFPSゲームやポスター、Webサイトを一括制作した実績を持つ。固定された評価基準で検証を通った変更のみを反映する仕組みが特徴。

自己進化型エージェント基盤「Raven」公開 4日間でFPSゲームと宣伝サイトを自力制作
画像:github.com

Ravenは、複数のAIエージェントを束ねて巨大なタスクを実行させるオープンソースのメタエージェント基盤です。自らすべてを作業するのではなく、タスクを依存関係グラフに分解し、専門エージェントに作業を割り振って検証まで完結させる現場監督のような役割を果たします。

象徴的な実績が、人間の大まかな要望からスタートした約4日間の完全自律実行です。42ラウンドにわたる計画、実装、テストを自力で繰り返し、Godot 4を用いた対ボス戦FPSゲームを完成させました。ゲーム本体だけでなく、プロモーション用ポスター、プレゼン資料、紹介Webサイトまで一括して制作されています。

何ができるのか

ゲーム開発にとどまらず、Ravenは長時間の自律運用で高い安定性を示しています。言語モデルnanochatの事前学習実験では、単一GPUで20分という制限のもと、クラッシュすることなく7ラウンドで172回の訓練を実施し、評価指標のval_bpbを5.8%改善させました。また、ダム決壊の流体シミュレーションでは誤差を3桁低減させています。プロジェクト自身の紹介スライドやREADME、ブラウザ用物理ゲームもRaven自身が出力したものです。

標準で4つの専門エージェントが組み込まれています。調査を受け持つRaven-Research、コーディングと検証を行うRaven-Code、資料やWeb画面を作るRaven-Design、そして夜間などの無人ワークフローを担当するRaven-Oncallです。さらにClaude CodeやCodex、Kimi Codeなど13種類の外部エージェントと接続できるプリセットも備えています。

なぜ自己改善が可能なのか

Ravenが実践する再帰的自己改善は、モデルの重みではなくエージェントの動作環境、つまりハーネスの改善に焦点を当てています。エージェントのループを記憶、計画、ツール露出、行動判定という4つの独立モジュールに分割しています。

Curatorと呼ばれる機構がこれらの動作設定や判定ロジックの修正案を作成します。最大のポイントは、テストの評価基準が外部で固定されており、AIが自ら評価基準を書き換える不正を防いでいる点です。正解データを隠したテスト環境で従来以上の成果を出した改善案だけが採用されます。長期記憶基盤のEverOSと11万件以上のスキルカタログがこれを支えています。

動かし方

導入はシンプルで、LinuxやmacOS、WSL2向けにはcurlスクリプト、Windows環境にはPowerShellスクリプトが用意されています。ホスト環境を汚したくない場合は、リポジトリをクローンしてdocker compose upを実行すれば、ポート18793で即座にWebUIが立ち上がります。

端末でraven webを実行するだけでブラウザ上に操作画面が開きます。このダッシュボードから、タスクの進捗確認、外部エージェントの連携設定、長期記憶やスキルの閲覧、生成物の確認などが一元管理できます。

なぜ重要か

モデルの再学習というコストをかけず、エージェントを取り巻く手順やツールの使い方を自律改善させるアプローチは非常に合理的です。長時間のバッチ処理や複雑なソフトウェア開発をAIに任せたいエンジニアにとって、今すぐ試す価値のあるフレームワークと言えます。

エージェントが自身の手順を改善できるようになると、プロンプトや固定ワークフローの価値は薄れていきます。今後の差別化要因は、AIに改ざんされない厳格な合否判定と評価基準を人間側がどれだけ正確に定義できるかという点に移っていくはずです。

情報源 (1)

  1. [1]
    github.com(新しいタブで開きます)原文github.com

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