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マスク氏がFSD V12をラッシュ時に実演:コード数十万行を削減、AI単独で走行

公開 拡散指数 37

イーロン・マスク氏がテスラの未公開自動運転ソフト「FSD Beta V12」をパロアルトの夕方ラッシュ時に45分間実演走行した。数十万行のルールコードを撤廃し、動画学習のみのAIモデルでほぼ無介入の走行や路肩駐車を実現。HW3端末上でオフライン動作する。

マスク氏がFSD V12をラッシュ時に実演:コード数十万行を削減、AI単独で走行
画像:notebookcheck.net

イーロン・マスク氏が、未リリースの運転支援ソフトウェア「FSD Beta V12」を搭載したモデルSで、夕方のラッシュアワーの米パロアルトを45分間走行するライブ配信を行いました。

車内にはヴィヴァルディの「四季」が流れ、保護のない左折などの難所を含め、人の介入はわずか1、2回にとどまりました。最初の目的地に到着すると、車両は縁石沿いの適切なスペースを自分で見つけて停車し、その後ザッカーバーグ氏の自宅住所へ向かう設定でもスムーズに走行しました。

数十万行のコードを捨て、ビデオ学習へ一本化

バージョン12の最大の変化は、制御ロジックの完全な刷新です。ラウンドアバウトの通過手順やスクーターの認識といった個別ルールを人間が手作業でプログラミングするのをやめ、膨大な運転映像を学習させたエンドツーエンドのニューラルネットワークに切り替えました。

マスク氏によると、これにより数十万行に及ぶコードが削減され、システムはより軽量になりました。未知の土地であっても、データ通信なしの完全オフラインで動作可能です。

走行は既存のHW3車両で行われ、8台のカメラから毎秒36フレームの映像が入力されていました。

AIによる純粋な計算処理により、理論上は毎秒約50フレームの処理が可能ですが、実際の道路環境では24フレームあれば十分機能するとマスク氏は説明しています。すでにノルウェー、ニュージーランド、タイ、日本などでもベータテストが実施されています。

一時停止のジレンマと規制当局の壁

同乗したテスラのエンジニアとの会話からは、法規制とAIモデル開発のギャップも浮き彫りになりました。一時停止標識(Stop Sign)の話題で、マスク氏は完全に速度をゼロにするドライバーは5%程度しかいないのではないかと述べました。

しかし同乗エンジニアは、統計上、すべての一時停止標識で速度を完全にゼロまで落とす人間はわずか0.5%に過ぎないと訂正しました。大半のドライバーは徐行しながら周囲を確認しています。

人間の自然な運転映像を模倣して学ぶエンドツーエンド方式では、こうした人間特有の違反行動まで再現してしまう懸念があります。現在、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)はテスラの自動運転ソフトウェアに関する調査を終えようとしており、一時停止無視の問題などをめぐる改善勧告を近く下す見込みです。

なぜ重要か

既存のテスラオーナーにとって、今回の実演はHW3搭載車両が今後も第一線で通用することを示す心強い証拠となりました。通信回線に依存せず、車載ハードウェアの計算能力だけでエンドツーエンドの走行と自動路肩駐車をこなせる点は実用面で大きな意味を持ちます。

自動運転業界全体にとっても、何十万行ものルールベースのコードを捨て去り、純粋なビジョン学習に振り切るテスラのアプローチは、高精度マップや個別モジュール開発に依存してきた競合他社に強烈なプレッシャーを与えます。

一方で、この手法には明確な課題もあると私たちは考えます。ブラックボックス化されたニューラルネットワークは、スムーズな走りを獲得する代償として、0.5%しか守られない一時停止ルールのような「人間の悪い癖」まで学習してしまいます。安全規制を厳格にクリアしなければならない場面で、コードの修正によるピンポイントな是正が効きにくい点は、今後の商業展開における最大の火種になりそうです。

情報源 (1)

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    notebookcheck.net(新しいタブで開きます)原文notebookcheck.net

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