ElevenLabs、開発者向け音楽生成「Eleven Music API」公開 商用利用に対応
ElevenLabsは開発者向けの「Eleven Music API」を公開した。許諾済みデータで学習されており、商用利用に対応しているのが特徴。同社によると、先行するEleven Musicではすでにクリエイターによって75万曲以上が生成されているという。
AIによる楽曲生成は目新しいものではなくなりましたが、法務リスクを恐れるあまり、商用アプリへの組み込みを躊躇していた開発者は少なくありませんでした。
音声AI大手のElevenLabsが、その障壁を取り払う「Eleven Music API」を正式にリリースしました。アーティストやレコード会社、音楽出版社と提携し、ライセンス許諾済みのデータで学習させた開発者向け音楽APIで、商用利用に対応している点が最大の特徴です。
テキストから数秒で生成、映画やTVは別枠
開発者はシンプルなテキストプロンプトを投げるだけで、数秒で楽曲を生成できます。ボーカル入りとインストゥルメンタルの両方に対応し、ジャンル、曲の長さ、構成、歌唱言語のカスタマイズが可能です。
利用実績も急速に伸びています。公式Xでは累計生成数が75万曲以上とアナウンスされましたが、ブログ記事ではすでに100万曲超へと更新されました。提供開始にあわせ、8月いっぱいはAPI料金が50%オフになります。
商用ライセンスはアプリ内BGM、瞑想アプリ、ゲーム、広告動画など幅広くカバーされています。ただし、映画やテレビ番組などの大規模メディアでの利用にはEnterpriseプランの契約が必要です。
動画編集ツールやアバターサービスが続々導入
すでに実サービスへの導入も始まっています。
動画編集ツールのVEEDは、動画の文字起こしテキストを解析してトーンに合ったBGMを自動生成する機能に採用しました。クリエイティブエージェンシーのAMPは自社のブランド音響基盤「Sonic Hub」に統合し、Hedra Labsはアバターに歌声を付与してオリジナルMVを作成する用途で活用しています。同社はAPIの実力を示すデモとして、URLから広告ジングルを2クリックで作る「Jingle Maker」も公開しました。
なぜ重要か
競合サービスが大手レコード会社からの著作権侵害訴訟に直面するなか、ライセンス問題をクリアしたAPIを真っ先に提供し始めた動きは極めて戦略的だと考えられます。商用プロダクトに組み込む開発者にとって、生成クオリティと同じくらい訴訟リスクの有無が決定的だからです。
ゲーム開発者やコンテンツ自動生成プラットフォームを手がける事業者にとって、8月中の半額期間は試行する絶好の機会と言えます。これまで外注や既成曲の選定に割かれていた工数を一気に削減できる可能性があります。
ただし、映画やTV放送がEnterpriseプラン限定とされている点には注意が必要です。ライセンス元の許諾条件が用途ごとに細かく分かれている兆候とも解釈でき、将来的にどこまで自由な商用利用が維持されるかは今後の運用を注視する必要があります。
情報源 (2)
- @elevenlabsio(新しいタブで開きます)原文x.com
- elevenlabs.io(新しいタブで開きます)報道elevenlabs.io