Droidup、人型ロボット「Moya」披露 人肌の温もりと脊椎構造で自然さを追求
Droidupが全身人型ロボット「Moya」のデモを公開した。人工脊椎と体温を模したシリコン皮膚を備え、人間らしい歩行や表情の模倣をうたう。家事や介護を見据えるが、顔の硬さやデモ映像の編集に対する疑問の声も上がっている。

多くのアンドロイド開発が荷物運びやバック転の性能を競う中、あるスタートアップは「目の前にある機械を機械だと忘れさせること」に全力を注いでいます。
上海を拠点とするDroidup(上海設界機器人)は今週、建全ロボティクスバレーにて全身人型ロボット「Moya」のデモを披露しました。公開された映像は、期待と懐疑的な視線の両方を集めています。
人肌の温もりと「人工脊椎」が目指すリアル
Moyaは身長約5.5フィート(約168cm)、体重約70ポンド(約31.8kg)。世界初の人型ロボットハーフマラソンで3位に入った「Walker 3」プラットフォームをベースにしています。
持久力重視の前作と異なり、Moyaの狙いは徹底的な擬人化です。シリコン製の皮膚は華氏90〜97度(約32〜36度)に温められ、触れた際に金属や冷たいゴムの感触を与えません。
皮膚の下には人間の脂肪や筋肉組織の弾力を再現するパッドが仕込まれ、胸部にはあばら骨のような内部フレームが組まれています。
さらに胴体部には剛性の高いヒンジではなく「人工脊椎」を採用。背骨がしなるように力を逃がし、自然なひねり動作を生み出します。
両目の奥にはカメラが組み込まれており、対面した相手の表情をリアルタイムで追跡して模倣します。話を聞きながら微笑んだり、相槌を打ったり、目を細めたりする動作が可能です。
92%の歩行再現と、編集動画への冷ややかな視線
Droidupは、Moyaの歩行が人間の自然な歩き方を92%の精度で再現していると主張しています。ただし、第三者機関による検証データはありません。
実際の足取りは従来のロボットより格段にしなやかですが、海外掲示板Redditのr/singularityでは「慎重に歩く高齢者のようだ」と冷静に評する声も目立ちました。
また、オレンジジュースを持ってテーブルへ歩き、コップに注ぐ家事デモ映像には細かなカット割りが多く、動作が一連で成功しているのか疑問視されています。
間近で見ると手先の作りが粗く、顔立ちの強張りも残るため、不気味の谷を抜け出せていないとの指摘もあります。むしろ数ヶ月前に一般来場者が直に触れ合った無編集の記録映像の方が、技術の現在地を正直に伝えていると言えます。
資金面もギリギリです。同社は設立約2年で2850万ドルを調達したものの、人件費等ですでに半分近くを消費。手元資金は1500万ドル未満で、従業員32人の体制で最初の50台の生産に社運を賭けています。
なぜ重要か
Unitreeなどが低価格化と産業用量産に突き進む中、Droidupがコンパニオン用途に振り切り、人工脊椎や体温の再現に挑んだ着眼点は極めて意欲的だと私たちは考えます。
一方で、日常の介護や家事代行に耐えうる実用性にはまだ大きな隔たりがあります。ぎこちない表情や細切れの編集動画からは、自律的な作業能力の未熟さが透けて見えます。
何より1500万ドル足らずの残高でハードウェア開発を続けるのは綱渡りです。初ロット50台で市場の信頼を勝ち取れなければ、理想を具現化する前に開発ラインが止まるリスクを抱えています。
情報源 (1)
- revolutioninai.com(新しいタブで開きます)原文revolutioninai.com