D-IDがスマホアプリを公開:写真1枚とテキストから「話す動画」を生成
D-IDはiOSおよびAndroid向けモバイルアプリを公開した。静止画のアップロードとテキスト入力だけで、119言語や感情トーンに対応した最大10分間の人物動画を生成できる。月額5.99ドルからのサブスクリプション制で、14日間の無料トライアルが用意されている。
古い家族写真を動かして話題になった Deep Nostalgia の開発元として知られる D-ID が、その AI 動画生成技術をスマートフォン向けに開放しました。
これまでウェブ上で提供されていた Creative Reality Studio が、iOS と Android 向け公式アプリとして正式に配信を開始しています。
スマホの写真が数分で喋り出す
使い方はシンプルです。アプリを開いてプリセットのアバターを選ぶか、自分の端末の写真フォルダから静止画をアップロードします。
喋らせたいテキストを入力すると、119 言語の中から音声を指定できます。男女の声分けはもちろん、声のトーンも細かく選べます。
単に淡々と読み上げるだけでなく、ニュース風、興奮、陽気、囁き声、叫び声など多彩な感情表現に対応しており、最大 10 分間の動画を生成可能です。
CEO の Gil Perry 氏によると、音声入力を基に映像フレームを生成する独自モデルなどを活用しており、API は毎秒 100 フレームという実時間の 4 倍の速さで動画を描画できるとしています。
料金は月額 5.99 ドルからのサブスクリプション制で、14 日間の無料トライアルが用意されています。すでにウェブ版を契約しているユーザーはそのまま引き継ぎ可能です。
デスクトップで 1.5 億本の実績と安全策
モバイル版の投入前からサービスは急成長していました。ウェブ版には毎日約 6 万人が新規登録し、これまでに 1 億 5000 万本以上の動画が作られ、API ユーザーも 20 万人を超えています。
一方で、誰でもスマホ一台でリアルな発話動画を作れる環境には、ディープフェイクや肖像権侵害のリスクがつきまといます。
D-ID はモバイル版でも厳格な利用規約を適用し、政治団体やポルノ、武器製造など争いを生む分野への技術提供を拒否すると表明しています。
また、テルアビブ本社周辺で続く軍事衝突の中でも、ウクライナ拠点を含む世界各国のチームと連携してサービスを維持しているとのことです。
なぜ重要か
D-ID のこの一手は、これまで企業研修や広告向けに使われていた動画生成技術を、一般消費者の日常ツールへと引き下ろした点に意味があります。
個人の動画制作者や小規模ビジネスにとって、月額 5.99 ドルでポケットから専属アバターを取り出せる価値は大きいです。カメラの前に立ちたくない人や多言語展開を試したい人は、今すぐ試す価値があります。
ただし、手軽に写真から動画が作れる利便性と、悪用のリスクは表裏一体です。プラットフォーム側がどれほど審査基準を掲げても、端末内の任意の顔写真を喋らせる行為を完全に管理するのは容易ではありません。
同社が今後成長し続けられるかどうかは、描画速度の優位性よりも、著作権やなりすましトラブルをいかに未然に防げるかにかかっていると私たちは考えます。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com