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デンマーク、著作権法改正でディープフェイク対策へ 容姿や声に「著作権」付与

公開 拡散指数 42

デンマーク政府はAIによるディープフェイク対策として、個人の容姿や声に著作権を認める法改正案を発表した。可決されれば無断作成されたAIクローンの削除をプラットフォームに義務付け可能となり、違反企業には高額な罰金が科される見込み。風刺表現は対象外とされる。

デンマーク、著作権法改正でディープフェイク対策へ 容姿や声に「著作権」付与
画像:theguardian.com

他人の顔写真や音声データをAIに入力すれば、本人そっくりの動画や音声を誰でも作れる時代になりました。しかし、勝手に作られたディープフェイクに対し、現行の法制度では迅速な削除を求めるのが難しいのが実情です。

デンマーク政府はこの問題に新たなアプローチをとることを決めました。文化省は木曜日、自国の著作権法を改正し、すべての市民が自身の身体、顔の特徴、声に対して法的権利を持てるようにする法案を発表しました。政府によると、こうした法制度は欧州で初となる見込みです。

ヤコブ・エンゲルシュミット文化相は、人間がまるでデジタルコピー機にかけられて悪用されていると指摘し、現在の法律は生成AIから人々を守り切れていないと訴えました。

自分の顔や声を著作権で守る仕組み

今回の法案は、ディープフェイクを外見や声を含む極めてリアルな個人のデジタル表現と定義しています。法案は議会の約9割の議員から超党派の支持を得ており、夏季休会前に意見公募を行い、秋に正式提出される見通しです。

法案が成立すれば、デンマークの市民は同意なく作成・共有されたディープフェイクについて、オンラインプラットフォームに削除を要求できるようになります。また、アーティストのパフォーマンスを無断で再現したリアルなAI生成物も対象となり、被害者は損害賠償を請求できます。

一方で、風刺やパロディについてはこれまで通り許可される方針です。プラットフォーム側が削除に応じない場合、高額な罰金が科される可能性があり、欧州委員会を巻き込んだ問題に発展させる用意もあると文化相は述べています。デンマークは近く迎えるEU議長国の立場を活用し、欧州各国にも同様の枠組みを提案する計画です。

なぜ重要か

この取り組みが優れているのは、既存の著作権という強力な枠組みをそのまま個人の権利保護に転用した点にあります。プライバシー侵害や名誉毀損の裁判は時間も費用もかかりますが、著作権侵害の削除要請であれば、プラットフォーム側も迅速に対応せざるを得ません。

プラットフォームにとっては、個人のディープフェイクへの対処が著作権侵害と同等の法的リスクになることを意味します。放置すれば巨額の罰金を科されるため、企業はAI生成コンテンツの検出や審査体制の強化を迫られるはずです。

ただし、人の身体的特徴を著作物のように扱う法理には危うさもあります。声の似ている人やモノマネ芸人との境界線をどう引くのかといった運用の難しさが残るほか、パロディの例外規定があっても、プラットフォームの自動検知システムが過剰に削除してしまうリスクは避けられないと考えられます。

情報源 (1)

  1. [1]
    theguardian.com(新しいタブで開きます)原文theguardian.com

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