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業界動向

独AI翻訳のDeepLがユニコーン入り、評価額10億ドル超で1億ドル以上を調達

公開 拡散指数 39

独DeepLは評価額10億ユーロ(約10億ドル)超で新たな資金調達を実施したと明らかにした。調達額は1億ドル超と報じられており、IVPが主導。年間経常収益5000万ドルで黒字化が視野に入る中、調達資金は大企業向けの営業拡大やGrammarly対抗のAI推敲ツールの開発に投じる方針だ。

機械翻訳を日常的に使っている人なら、DeepLの精度の高さに驚かされた経験があるはずです。Googleなどの大手ツールと比べても、文脈を捉えた自然な訳文を出力できることで多くのファンを集めてきました。

そのドイツ・ケルン拠点のDeepLが、正式にユニコーン企業の仲間入りを果たしました。同社は1月11日、評価額10億ユーロ(現在の為替レートで10億ドル強)での資金調達を発表しました。

調達額の全容は明かされていませんが、TechCrunchが入手した情報によると、その規模は1億ドルから1億2500万ドル程度とみられます。今回のラウンドはIVPが主導し、Bessemer Venture Partners、Atomico、WiLなどが参加しました。

成長率100パーセント、黒字化目前の堅実経営

派手なプロモーションを先行させるAIスタートアップが多いなか、DeepLの数字はきわめて堅実です。

投資元の情報によると、DeepLの昨年末時点での年間経常収益(ARR)は5000万ドル規模に達しています。前年比成長率は約100パーセントを記録しており、すでに収支均衡に達し、黒字化も目前だといいます。

同社の収益の柱は中小企業向けの有料プランです。分散型SNSのMastodonの翻訳機能などにも採用されています。従業員の6割から7割をエンジニアが占め、独自のスーパーコンピューターと10億件以上のデータセットでモデルを鍛えてきました。

調達した資金は、大企業向け営業の強化と新製品の開発に充てられます。現在クローズドベータテスト中の、Grammarlyのような単一言語の文章校正ツールも近く公開される予定です。

なぜ重要か

ユーザーにとって、DeepLは「本当に使える翻訳ツール」としての価値を再確認させてくれます。海外とのビジネスメールやドキュメント翻訳において、手直しの手間を大幅に減らせる実力は健在です。近く登場する文章校正ツールも、外国語でテキストを書く人にとって有力な選択肢になるでしょう。

業界の視点で見ると、DeepLは特定領域に特化したAIが巨大テック企業と渡り合えることを証明しました。自前の技術で黒字化に近い水準まで事業を育て上げた点は、資金調達環境が冷え込むなかで際立っています。

一方で、OpenAIをはじめとする汎用大規模言語モデルの急速な進化は無視できません。ChatGPTなどの多言語対応力が高まるなかで、翻訳専業ツールがどこまで差別化を維持できるかが今後の焦点になります。文章推敲ツールへの領域拡大は、防衛策としても理にかなった動きといえます。

情報源 (1)

  1. [1]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com

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