Anthropic CEOが声明発表:年商70億ドルに急伸、米政府との協調を強調
Anthropic のダリオ・アモデイ CEO は声明を発表し、売上ランレートが 9 か月で 10 億ドルから 70 億ドルへ急拡大したと公表しました。同氏は連邦政府との大型契約や全米共通基準の支持を掲げ、モデルの政治的偏向やスタートアップ阻害といった批判を否定。米国の技術的優位を守る姿勢を明確にしています。

Anthropic といえば、安全性や倫理を最優先する慎重派の研究機関というイメージを持たれがちでした。しかし今回、CEO の Dario Amodei 氏が公開した長文の声明は、そうした固定観念を根底から覆す内容となっています。
Amodei 氏は、同社の政策スタンスに対する誤解を正すと宣言し、同社が米国の国益と防衛にどれほど深く貢献しているかを強調しました。同氏によると、Anthropic の売上高ランレートは過去 9 か月間で 10 億ドルから 70 億ドルへと急拡大しており、ソフトウェア企業として史上最速の成長を遂げています。
ワシントンと国防総省への急接近
今回の声明で特に目を引くのは、米政府や防衛機関との深い結びつきです。同社は 7 月に国防総省と 2 年間で 2 億ドル規模の契約を結び、国家安全保障向けのフロンティア AI プロトタイプ開発に着手しました。
さらに一般調達局(GSA)を通じて連邦政府全体に Claude をわずか 1 ドルで提供しているほか、Palantir やローレンス・リバモア国立研究所を経由して機密ネットワーク上にもモデルを展開しています。Amodei 氏自身もペンシルベニア州でトランプ氏とエネルギー問題について直接会談し、諮問委員会にはトランプ前政権の高官も迎えていると明かしました。
また、スタートアップの成長を阻害しているという批判に対しては、自社が支持したカリフォルニア州の SB 53 法案が年間売上 5 億ドル以下の企業を除外する設計になっていると反論しています。
対中規制についても踏み込み、同社は目先の利益を捨てて中国支配下の企業へのサービス提供を遮断している唯一のフロンティア企業であると主張しました。モデルの政治的偏向についても保守系シンクタンクのマンハッタン研究所やスタンフォード大学の調査を引用し、最新の Sonnet 4.5 や Haiku 4.5 でさらなる中立性を確保していると説明しています。
なぜ重要か
Claude を利用する開発者や企業にとって、同社が国防総省や政府中枢に深く根を下ろしたことは、将来的な規制リスクや政権交代による破綻リスクが低いという安心材料になります。一方で、グローバル展開する企業にとっては輸出管理などの縛りがより厳格になる可能性があります。
業界全体で見れば、最先端 AI の競争はベンチマークの争いから「国家の重要インフラの座を巡る争い」へと完全にシフトしました。OpenAI や Google と並び、Anthropic も国防契約と電力確保を巡る地政学的レースの中心にいます。
今回の Amodei 氏の動きは極めて計算されたものに見えます。これまで「お説教くさい安全重視派」と揶揄されがちだった自社の姿勢を、「米国の国家安全保障に不可欠な防波堤」へと見事に読み替えました。しかし、公益企業(PBC)としての高い倫理観を掲げて設立された同社が、軍事や国家権力とここまで密接に結びつくことに対しては、今後内外から小さくない摩擦が生じるリスクも孕んでいます。
情報源 (1)
- anthropic.com(新しいタブで開きます)原文anthropic.com