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研究

CZIが1,000基超のH100を投入、医療AI研究向け大規模クラスターを構築

公開 拡散指数 31

チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ(CZI)は1,000基以上のNvidia H100 GPUを備えた医療研究用AI計算基盤の構築を発表した。生成AIを活用して細胞の挙動を模倣する「仮想細胞」モデルを構築し、病気のメカニズム解明や新薬への反応予測を目指す。開発されたモデルは非営利の研究者向けにオープンに公開される計画だ。

CZIが1,000基超のH100を投入、医療AI研究向け大規模クラスターを構築
画像:theverge.com

世界中のテック企業がNVIDIAのGPUを買い占め、生成AIチャットボットの開発に投じている中、マーク・ザッカーバーグ氏と妻のプリシラ・チャン氏が率いる慈善団体は、全く異なる領域に最先端チップを投入することを決めました。

チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ(CZI)は9月19日、医学研究専用の大規模なAI GPUクラスタの構築に資金を提供すると発表しました。システムには、AIサーバー向けとして世界中で奪い合いが起きているNVIDIAの最上位チップ「H100」が1000基以上搭載されます。

1000基超のH100で挑む「仮想細胞」プロジェクト

この計算基盤の目的は、研究者が生成AIを活用して健康な細胞や病気の細胞を精密にモデル化できるようにすることです。

ザッカーバーグ氏とチャン氏が『MIT Technology Review』に寄稿したエッセイによると、これはコンピュータ上で「仮想細胞」を走らせ、様々な条件下での生体反応をシミュレーションする試みです。

チャン氏はプレスリリースの中で、AIモデルによって、感染症に対して免疫細胞がどう反応するか、小児の希少疾患において細胞レベルで何が起きているか、さらには特定の薬剤を投与した際に患者の体がどう反応するかまで予測できるようになると説明しています。

モデルの学習には、CZIのソフトウェアツールによってすでにカタログ化されている約5000万個の独自細胞データなど、既存の膨大な生物学的データセットが投入される予定です。

非営利最大規模でも、テック大手の商用インフラには及ばず

最先端のAIツールやGPUインフラはあまりにも高価で、一般的な研究機関や大学の研究者が手を出すことは極めて困難です。CZIはこの格差の解消を目指しています。

今回のGPUクラスタによって学習されたヒト細胞モデルは「オープンに公開」される予定で、世界中の科学者が協力し、医学の進歩を加速させるための基盤となります。

ハードウェアの調達はCZIの「Biohub Network」が担当し、サンフランシスコの拠点がシステムの構築を進めます。Biohubは10年から15年の長期的な科学的課題の解決を目指す組織です。

完成すれば非営利研究目的としては世界最大級のAIクラスタになりますが、寄稿文によると、テック大手などが商用製品の開発に用いるインフラと比べれば、依然としてその規模は小さいとされています。

なぜ重要か

生命科学分野の研究者にとって、この取り組みは実質的な研究環境の底上げを意味します。これまで莫大なクラウドアカウント費用に頭を悩ませていた独立系の研究室でも、CZIが無償公開する細胞基盤モデルを利用できるようになれば、創薬ターゲットの特定や病理分析の試行錯誤にかかるコストを劇的に下げることができます。

AI業界全体にとっても、非営利の科学研究を支えるインフラとして重要な前例になります。最先端のコンピュート資源が商業的な大規模言語モデルに独占されがちな現状において、慈善資金が基礎科学のための大規模GPU基盤を整備する動きは、他の研究機関や財団のモデルケースになり得ます。

CZIの戦略として巧みなのは、単にGPUを買い集めるだけでなく、自前で蓄積してきた5000万細胞の高品質データと直結させている点です。一方で、「今世紀末までにすべての病気を治癒、予防、または管理する」という公式声明の文句は、やや風呂敷を広げすぎている感もあります。人体の複雑さは言語モデルの予測とは比較にならないほど難解であり、1000基のH100という規模も、学術界では巨大ですが生命全体のシミュレーションを行うには依然として不足していると見るのが現実的です。

情報源 (1)

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    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

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