Cohere、初のオープンソース音声認識モデル「Transcribe」を公開
Cohereは初のオープンソース音声認識モデル「Transcribe」を公開した。20億パラメータと軽量で一般向けGPUでも動作し、日本語を含む14言語に対応する。1分間で525分相当の音声を処理でき、Open ASRリーダーボードで誤り率5.42を記録した。無料APIも提供される。

Cohere Transcribeは、議事録の文字起こしや音声分析をローカル環境でこなせる軽量なオープンソース音声認識モデルです。
パラメータ数は20億(2B)に抑えられており、一般的なコンシューマー向けGPUで快適に動作するため、機密性の高い音声データを外部クラウドに送信することなく自前で処理できます。
機能とハードウェア要件
Transcribeは実用的な文字起こしを想定してゼロから訓練されており、日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、アラビア語など14言語に対応しています。
最大の特長は処理速度の高さです。1分間で525分相当の音声を処理できるスループットを備えており、数時間に及ぶ録音データもわずか数十秒でテキスト化できます。
2Bというコンパクトなサイズ感のおかげで、個人の開発者でも一般的なGPU搭載PCで手軽にローカル推論環境を構築でき、音声入力アプリやメモアプリの基盤として活用できます。
アーキテクチャと認識精度
内部アーキテクチャにはConformerベースのエンコーダ・デコーダ構造を採用しています。入力された音声波形をlog-Melスペクトログラムに変換し、音響特徴を抽出したうえで軽量なTransformerデコーダがテキストトークンを生成します。
Hugging FaceのOpen ASRリーダーボードにおいて、Transcribeは平均単語誤り率(WER)5.42を記録して首位を獲得しました。ElevenLabs Scribe v2、IBM Granite 4.0 1B、Qwen3-ASR-1.7B、さらにはWhisper Large v3を上回る精度を示しています。
人手による評価でも、正確性や使いやすさの面で他モデルに対して平均61%の勝率を収めました。ただし弱点もあり、ポルトガル語、ドイツ語、スペイン語の3言語に関しては競合モデルの後塵を拝する結果となっています。
利用方法
Transcribeは商用利用にも寛容なApache 2.0ライセンスで公開されており、モデルの重みファイルはHugging Faceから直接ダウンロード可能です。
自前のハードウェアを使いたくない場合でも、CohereはAPI経由での無料アクセスを提供しています。また、同社のマネージド推論環境Model Vaultや、エンタープライズ向け基盤Northにも順次統合される予定です。
なぜ重要か
議事録アプリや音声エージェントを自作している開発者にとって、Transcribeは今すぐ試す価値がある選択肢です。これまで高精度を求めるとWhisper Largeのような巨大モデルが必要でしたが、2Bという軽さでそれを凌ぐ精度と圧倒的な処理速度を両立しています。
ただし、ドイツ語やスペイン語、ポルトガル語を主軸にした多言語サービスを展開している場合は注意が必要です。一部言語では認識精度が落ちる傾向があるため、既存のパイプラインを置き換える前に、自前の音声データでテストしておくことをおすすめします。
情報源 (2)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
- cohere.com(新しいタブで開きます)報道cohere.com