本文へスキップ
IFAI

業界動向

Cohere、市場調査自動化のOttogridを買収 企業向けAI「North」に統合へ

公開 拡散指数 38

AIスタートアップのCohereは市場調査自動化プラットフォームOttogridの買収を発表した。買収額は非公開。Ottogridのスタンドアロン製品は段階的に終了し、スマートテーブルや文書抽出機能はCohereの企業向け対話アプリ「North」に直接統合される。

Cohere、市場調査自動化のOttogridを買収 企業向けAI「North」に統合へ
画像:techcrunch.com

エンタープライズ向けAIを手がけるCohereが、市場調査自動化プラットフォームのOttogridを買収しました。

Ottogrid共同創業者のSully Omar氏がX上で発表したもので、買収額などの条件は非公開です。既存のOttogrid製品は移行期間を設けたうえで終了し、チームと機能はCohereの業務アシスタント「North」に統合されます。

実はCohereの共同創業者陣は、以前からOttogridに個人出資していました。

AIを組み込んだスマートな表計算ツール

カナダ・バンクーバー拠点のOttogridは、2023年にCognosysという名称でスタートした企業です。

2024年10月に大規模なリニューアルを行い、Ottogridへと改称しました。AIによる文書解析を備えたスプレッドシート型インターフェースが特徴です。

ウェブサイトから自動でデータを抽出して表に整理したり、営業リード情報を補完したりといった、時間のかかるリサーチ業務を自動化するツールとして使われてきました。

同社はこれまで、GV(Google Ventures)やUntapped Capital、ReplitのCEOであるAmjad Masad氏、VercelのGuillermo Rauch氏などから200万ドルを調達しています。その出資者リストには、Cohere共同創業者のIvan Zhang氏とAidan Gomez氏も名を連ねていました。

買収に伴い、Ottogridの技術はNorthへ直接組み込まれます。CohereのAidan Gomez CEOは、スマートなテーブルによって企業の調査業務を効率化していくとコメントしています。

1億ドルの年換算売上を達成したCohereの次の一手

この買収の背景には、Cohere自身のビジネスモデルの転換があります。

The Informationの報道によると、Cohereは2023年初頭に立てた売上目標を約85%も下回り、一時は厳しい状況にありました。

しかし同社がロイターに明かしたところによると、直近の年換算売上(ARR)は1億ドルに到達したといいます。医療、政府機関、金融といったセキュリティ要件の厳しい分野に向けた、プライベート環境でのAI導入に舵を切ったことが功を奏しました。

バックエンドの基盤が整った今、Cohereは現場の社員が直接触るフロントエンド機能の拡充を急いでいます。

なぜ重要か

チャットボットに調べ物を頼んでも、結局出力された文章を表計算ソフトに手作業で貼り直す羽目になりがちです。ナレッジワーカーにとって、従来のチャットUIは構造化データの処理に向いていません。

Ottogridが得意とする「表インターフェースとAIリサーチの融合」は、まさに現場が一番欲しがっている機能です。金融やコンサルティングなどの現場で、セキュアな環境のまま調査から表作成まで完結できるようになれば、Northの魅力は一気に跳ね上がります。

業界全体で見ても、LLMベンダーがAPIの提供だけでなく、実務向けアプリケーションの上流を取りに行く動きが加速しています。OpenAIなどの競合に対し、エンタープライズの実務フローにどれだけ深く入り込めるかが勝負の分かれ目です。

初期投資家として手応えを掴んでいたチームをそのまま取り込んだ判断は非常に手堅いと言えます。ただし、既存ツールが終了することで離脱するユーザーへの手当てや、Northへの統合後に動作が重く複雑化しないかどうかが今後の課題になりそうです。

情報源 (1)

  1. [1]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com

毎日のAIピックアップ