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研究

AnthropicのClaude、確率論の難問「浸透予想」を解明 Leanによる完全証明コードも生成

公開 拡散指数 36

Anthropicの言語モデルClaudeが研究者の指示のもと、確率論の長年の難問である浸透理論の予想を証明し、形式検証言語Leanのコードを生成した。3〜10次元の格子における相転移が連続的であることを示しており、AIが未解決の純粋数学の最前線に踏み込んだ象徴的な事例となった。

AnthropicのClaude、確率論の難問「浸透予想」を解明 Leanによる完全証明コードも生成
画像:scientificamerican.com

フィールズ賞受賞者が「AIが近いうちに我々の分野で最も有名な予想を押し流してしまう」と懸念を表明した直後、大規模言語モデルがまさにそれを現実のものにしました。

AnthropicのClaudeが、研究者の指導を受けながら確率論における長年の難問「浸透理論の予想」の完全な論証に成功しました。さらに形式検証言語Leanによる厳密な証明コードまで生成し、公式発表や派手なプロモーションもないまま、数学界に大きな衝撃を与えています。

数十年間解けなかった「スポンジの数学」

浸透理論は1957年、液体が多孔質の物質をどのように通り抜けるかを解明するために始まりました。網の目状に張り巡らされた無数のパイプが、ある確率で開いたり閉じたりするネットワークを想像するとわかりやすいでしょう。

開く確率がある臨界値を超えると、水は無限に広がる経路を流れるようになります。この相転移が連続的に起きるのか、それとも突如として不連続に起きるのかの解明は、確率論の聖杯とされてきました。

ドイツのブラウンシュヴァイク工科大学の数学者ベネディクト・ヤーネル氏は、これを解決できればフィールズ賞に値すると語っていたほどです。2022年に相転移の研究でフィールズ賞を受賞したユーゴ・デュミニル=コパン氏ですら、この予想の証明には至っていませんでした。

取り残されていた3次元から10次元の空白

1次元や2次元の格子では、相転移が滑らかに変化する連続的なものであることが以前から判明していました。また11次元以上の超高次元空間でも、統計的な平均化が成り立つため連続的であることが証明されていました。

人類が数十年間どうしても証明できなかったのが、現実の物理空間を含む3次元から10次元の領域です。

2026年8月30日、デュミニル=コパン氏はブログで、AIがこの有名な予想を解いてしまうのは時間の問題だと危機感を綴っていました。そのわずか数日後、AnthropicはClaudeによって3〜10次元でも相転移が連続的であることを証明してみせました。

さらに自然言語による説明だけでなく、Leanで完全に検証可能なコードを提示したことで、AI特有のハルシネーション(幻覚)の懸念を完全に排除しました。ヤーネル氏は、長年の問題が解けた喜びと同時に、最後の決定打をAIに奪われたことへのある種の失望という複雑な感情を吐露しています。

なぜ重要か

今回の成果は、AIが競技プログラミングや数学オリンピックの模範解答を出す段階を終え、人類未踏の純粋数学のフロンティアを突破する段階に入ったことを示しています。

私たちが特に注目すべきだと考えるのは、大規模言語モデルと形式検証言語Leanを組み合わせたアプローチの巧みさです。どんなにAIが賢明そうに見えても数学者は誤りを恐れますが、Leanのコンパイラが通れば論理の正しさは100%保証されます。

もっとも、今回の証明は研究者が適切な問いを立て、証明の枠組みを誘導したからこそ成立したものです。Claudeが単独で新しい定理を思いついたわけではありません。それでも、優秀な数学者の手綱があれば、AIというブルドーザーが数十年の停滞を一瞬で切り拓けることが証明されました。

この動きはOpenAIやGoogle DeepMindへの強烈なプレッシャーになります。今後は単なるチャットボットの開発競争を超えて、科学研究の最前線をどのAIが支援できるかという新たな主戦場へ移行していくはずです。

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