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業界動向

シスコに「ナデラ旋風」再来か:新社長パテル氏が主導するAIと製品統合

公開 拡散指数 31

Cisco Liveの開催に合わせ、シスコ新社長のジートゥ・パテル氏が進める製品統合とNVIDIAとのAI協業が注目を集め、株価は年初来10%上昇した。長年批判されてきたシステムの乱立を解消し、マイクロソフトがクラウドとAIで躍進した転換期を再現できるかが試されている。

シスコに「ナデラ旋風」再来か:新社長パテル氏が主導するAIと製品統合
画像:forbes.com

シスコシステムズ(Cisco)といえば、長年「買収と営業力で成長してきた巨大IT企業」という印象が根強くありました。その裏で、乱立する独自OSや統合されていない製品群、複雑すぎる管理画面に対して、大企業ユーザーからは長年にわたって不満の声が上がっていました。一時はチャック・ロビンスCEOの進退問題まで噂されたほどです。

しかしここ数か月、同社の社内外で空気が変わりつつあります。株価は年初来で10%上昇し、直近では52週高値を更新しました。サンディエゴで開催された年次イベント「Cisco Live」で主役となったのが、先月社長兼最高製品責任者(CPO)に昇格したジートゥ・パテル氏です。米メディアForbesの報道によると、シスコ内部ではマイクロソフトのサティア・ナデラCEOによる大改革を引き合いに出す声が出始めています。

断片化した製品群にメスを入れる

パテル氏の台頭は急速でした。昨年秋、シスコは全従業員の7%にあたる人員削減を発表すると同時に、パテル氏を全製品部門の統括トップに据えました。さらに今年3月、後継候補と目されていたゲイリー・スティール前社長がAIスタートアップのShield AIへCEOとして移籍したことで、パテル氏が次期CEOの最有力候補として急浮上しました。

歴代トップが営業主導やM&A巧者だったのに対し、パテル氏が掲げているのは徹底した製品イノベーションと統合です。金融大手William Blairのアナリスト、サバスティアン・ナジ氏とジェイソン・エダー氏が指摘するように、大企業からの最大の批判は製品やOS、管理基盤のバラバラ感にありました。

今回のCisco Liveで、シスコはキャンパス向けのCatalystとMerakiの管理基盤を統合し、データセンター向けのNexusとACIの管理基盤も一本化すると発表しました。あわせてNexus 9000の刷新も打ち出しています。元Aviatrix CEOでシスコ幹部も務めたスティーブ・ムラニー氏は、今シスコに必要なのは製品を理解するリーダーであり、パテル氏が眠っていたポテンシャルを引き出していると評価しています。

さらに3月にはNvidiaと「Secure AI Factory」で提携し、Nvidia製GPUと同社のネットワーク機器、独自チップ「Silicon One」を一体化したAIインフラの展開にも乗り出しています。

なぜ重要か

企業のインフラ担当者やネットワークエンジニアにとって、この動きは実利に直結します。CatalystとMeraki、あるいはNexusとACIという、本来別々の世界だったツールの管理プレーンが統合されれば、日常的な運用負担や設定ミスは確実に減ります。ただし、発表されたばかりの統合機能が大規模な既存環境でどこまで安定して動くかは未知数であり、現場としてはまず検証環境での挙動を見極めるのが賢明です。

業界全体で見れば、シスコがデータセンターAI市場での地盤沈下に歯止めをかけられるかの分岐点になります。Aristaなどの台頭やオープンなホワイトボックススイッチが普及するなか、Nvidiaと深く組み、自前のSilicon Oneチップを活用してAI基盤を取り込みにいく姿勢は明確です。

私たちは、パテル氏をナデラ氏に重ねる社内の熱狂には一定の根拠があると見ています。営業優先の文化から製品統合へのシフトは、まさにシスコが何年も先送りにしてきた課題そのものだからです。一方で、度重なる買収で肥大化した数千種類の製品群をまとめ上げるのは並大抵の作業ではありません。この大改革が単なる組織再編やプレゼン上のスローガンで終わるのか、本当に使いやすい統合プラットフォームに結実するのかが試されています。

情報源 (1)

  1. [1]
    forbes.com(新しいタブで開きます)原文forbes.com

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