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業界動向

CiscoがAI準備度調査を公開:本番運用はわずか18%、「インフラ負債」に警鐘

公開 拡散指数 32

Ciscoは企業のAI価値実現に関する調査データを公開し、AIユースケースを本番環境へ移行できた企業はわずか18%にとどまると指摘した。8割以上がエージェント導入を急ぐ一方、計算コストやセキュリティの遅れによる「AIインフラ負債」が深刻なボトルネックになりつつあるという。

画像:cisco.com

生成AIがビジネスを一変させると騒がれる一方で、舞台裏を覗くと多くの企業はまだ実運用のスタートラインにすら立てていません。

Ciscoは企業のAI価値実現と準備状況に関する調査データを公開しました。浮き彫りになったのは厳しい現実で、AIユースケースを実際の「本番環境」へ移行できた企業はわずか18%にとどまっています。

大半の企業は、概念実証(PoC)の段階で足踏みを続けているのが実情です。

先行企業は利益を出し、一般企業は足踏みする

Ciscoのレポートでは、十分な準備を進めてきた「ペースセッター(先行企業)」と、それ以外の一般企業との間に絶望的な格差があることが示されています。

象徴的なのが価値の測定です。先行企業の95%がAIによる事業価値を明確に計測しているのに対し、企業全体ではわずか32%しか測定していません。効果を測っていなければ、回収できるはずもありません。

この差はそのまま業績に跳ね返っています。先行企業の77%が本番環境へユースケースを投入済みで、70%が「AIで収益を上げられる」と確信しています。実際に9割以上の先行企業が増収増益を報告している一方、一般企業で収益化に自信を持っているのは34%にすぎません。

エージェント導入の陰で膨らむ「インフラ負債」

さらにレポートが警鐘を鳴らしているのが、自律型AIエージェントへの拙速な傾倒です。

全体の83%もの企業が今後1年以内にエージェントを導入する計画を立てており、先行企業ではその割合が96%に達します。自律型ソフトウェアエンジニアリングや産業用ロボット制御などへの期待が高まっています。

しかし、それを支える土台は脆弱です。ネットワークが柔軟だと答えた企業はわずか15%で、AI特有のセキュリティ脅威を検知・防御できる体制が整っている企業は29%にとどまります。強力なGPU環境を持つ企業も26%しかいません。

Ciscoはこの状況を「AIインフラ負債」と名付けました。導入を急ぐあまり、場当たり的な改修や妥協を重ねた結果、54%の企業が高額な計算コストに悩み、58%が拡張性と速度の限界に直面しています。

なぜ重要か

この調査は、エンタープライズAIの華やかな話題の裏にある生々しいボトルネックを的確に浮き彫りにしています。

もちろん、「インフラ負債」というフレーズを掲げる背景には、自社のネットワーク機器やセキュリティ製品を売り込みたいCiscoの巧みなポジショニングがあります。しかし、その指摘自体は極めて現実的です。

レガシーなシステム基盤の上に高性能なAIエージェントを無理やり載せるのは、骨組みの錆びた車に最新のレーシングエンジンを積むようなものです。小規模な検証環境では動いても、全社展開した瞬間にトラフィックのパンクやデータ漏洩といった致命的なトラブルを引き起こします。

現場のITリーダーにとって、いま必要なのは流行りのエージェントツールを無闇に試すことではありません。まずはデータパイプラインの整備とセキュリティ監視を固めることです。足元のインフラを無視して走れば、あとで何倍もの修正コストを支払うことになります。

情報源 (1)

  1. [1]
    cisco.com(新しいタブで開きます)原文cisco.com

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