CESで過熱する「AI」ブランディング、従来技術へのラベル付けに懸念
報告によると、今年のCESでは車載アシスタントからRabbit R1、ロボットまであらゆる製品にAIラベルが貼られた。だが多くは従来の機械学習技術であり、すべてをChatGPTのような生成AIと同一視させる宣伝は利用者の期待を裏切るリスクをはらんでいる。

今年のCES会場を歩けば、どこを見渡しても「AI」の文字が目に入らない場所はありませんでした。
話題をさらったRabbit R1から車載音声アシスタント、さらにはウォルマートの食料品補充システムに至るまで、あらゆる製品が人工知能を前面に押し出していました。しかし、その内実をよく見ると、多くの人がイメージするAIとはかけ離れたものも少なくありません。
従来技術に貼られた「AI」のラベル
実のところ、展示されていた「AI機能」の多くは目新しいものではありません。かつてアルゴリズムやパターン認識、機械学習と呼ばれていた技術が、企業のブランディング戦略によってAIという言葉に置き換えられているだけです。
生成AIはいま、手当たり次第に試される実験段階にあります。自動車メーカーはダッシュボードにChatGPTを詰め込んでドライバーの話し相手を作ろうとし、家電各社は自社の進取性をアピールするためにAIの看板を掲げています。
会場を沸かせたサムスンの小型ロボット「Ballie」やLGの自律型ロボットも同様です。これらは優れたロボティクスとコンピュータービジョンの賜物であり、必ずしも大規模言語モデルの恩恵だけで動いているわけではありません。しかし、いまや「機械学習」という言葉は陳腐化し、誰も使いたがらなくなっています。
誇大広告が招く失望のリスク
何でもAIと呼ぶ風潮には、大きな落とし穴が存在します。
調査会社ガートナーのアナリストであるアルン・チャンドラセカラン氏は、生成AIと従来のAIが混同されている現状に警鐘を鳴らしています。一般の消費者は「AI」と聞くと、ChatGPTのように人間らしく思考し対話できる仕組みを期待してしまいます。
チャンドラセカラン氏は、マーケターが実態と異なる期待を煽ることで、自らの首を絞めることになりかねないと指摘します。思い描いていた体験と違えば、ユーザーはすぐに幻滅してしまうからです。
同氏は、あらゆるテクノロジーにはライフサイクルがあり、過度な期待がしぼんだ後にこそ、真に有用なイノベーションや適切なユースケースが登場するものだと付け加えています。
なぜ重要か
私たちは、今回のCESで見られたAI偏重の動きは、企業の焦りの裏返しだと考えています。他社に遅れをとることを恐れるあまり、既存のセンサー処理や単純な自動化にまでAIのラベルを貼り付けているように見えます。
一般のユーザーにとっては、派手な宣伝文句に惑わされない冷静さが必要です。すべての機器に対話型の言語モデルが必要なわけではなく、現行製品の多くはわざわざ買い替えるほどの体験を提供できていません。
業界全体にとっても、実態の伴わないバズワードの乱用は消費者の信頼を損なうリスクをはらんでいます。「AI搭載」と謳われた機能が期待外れに終われば、生成AIそのものへの不信感につながりかねません。
それでも、ハイプ(熱狂)が冷めるプロセスは健全な進化への通過点です。チャットボットを無理やり組み込むような無駄な試行錯誤が一巡した後に、本当に生活を便利にする道具が残るはずです。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com